第6話 “遭遇”
トヨの容赦ない言魂でたんこぶだらけになった守哉は、訓練が終わると七瀬に泣きついた。慈愛顔で守哉の頭をよしよし、と撫でた七瀬は、いつの間にやら用意していた救急箱で守哉の頭に応急処置を施した。守哉の中では七瀬の株が上がりっぱなしである。
「だらしのないヤツじゃのう。この程度で音を上げるとは」
呆れ顔で守哉を見下ろすトヨ。逢う魔ヶ時が過ぎて言魂の効力が切れたのか、腰が曲がっている。
「……おばあちゃん、かみやをあんまりいじめないであげて?かみやがかわいそうだよ」
責めるような目つきでトヨを見つめ、守哉を弁護してくれる七瀬。なんていい子なんだろう、と感動した守哉は、瞳を潤ませて七瀬を見つめた。
……本人はまったく気づいていないが、守哉がやると女の子にしか見えない。無駄に美形な守哉であった。
だからといってトヨは態度を変える気はないらしく、
「ふん、お前はこいつを甘やかしすぎなんじゃ。結局、言魂を発動できたのは一回だけじゃったからな。この先が思いやられるわい。明日からはもっと厳しくいくからの、覚悟してくるのじゃな」
それだけ言うと、トヨは家の中に入ってどこかへ行ってしまった。
うるさいのがいなくなったので、守哉はちょっぴりほっとした。色々気になっていた事があったが、トヨの居る手前七瀬に聞きづらかったのだ。とはいえ、時間が時間だったので、仕方なく寮に帰る事にする。
靴を脱いで一旦家に上がると、守哉は七瀬に帰る旨を告げた。七瀬は守哉を見上げると、少し寂しそうな顔を浮かべて言った。
「……ごはん、食べていかないの?」
「食べます」
即答だった。というか、七瀬がそう言ってくれるのを待っていたのである。七瀬は嬉しそうな顔をすると、じゃあすぐに作るね、と言って一目散に駆け出して行った。
一人残された守哉は、縁側に腰掛けて庭園を見渡す。
今更だが、神代家の庭園はとても広い。普通の学校の運動場ぐらいはあるだろう。見渡す限り砂利と岩で、庭園の内側を囲むように木が並んでいるだけなので飾り気はない。恐らく、戦闘訓練を行うために広くしてあるのではないだろうか、と守哉は考えた。
ぼんやりと庭園を眺めていた守哉だが、ふと、庭園の隅に立っていた女の子と目があった。
いつの間にかそこにいた、女の子と。
「……っ!!!」
ぞくっ、と守哉の背筋を悪寒が襲う。女の子は赤い和服に身を包んでいる。袖が長く、手首を隠すほどあるのに対し、胴の部分は太ももを僅かに隠すまでしかない。黒く濁った水色の髪と相まって、それはかなり不気味に見えた。
無表情で守哉を見つめているその顔には生気がまったく感じられない。嫌な予感がするのに、目をそらさなければならないと感じているのに、何故か目がそらせない。
(この、子、は……!?)
心臓の鼓動が高鳴る。痛いほどに、心臓が高速でリズムを刻んでいた。何か、とてつもなく不吉なものを感じているからだろうか。
守哉が女の子を注視していると、突然、女の子の口と目の端がつり上がった。
守哉の背筋を襲う悪寒が酷くなる。守哉は身の危険を感じ始めていた。なのに、身動きがとれない。金縛りにあっているかのように、身体がぴくりとも動かなかった。
そして、唐突に―――女の子は、凄まじい速度で守哉の方へ動いた。
(……人間じゃ、ない―――!?)
逃げなければ、と本能が告げる。しかし、動けない。女の子が迫る。よく見れば、女の子は足を動かしていなかった。スキーをしているかのように、前傾姿勢でこちらに突進してくる。
避けられない。守哉が観念して目を瞑った瞬間―――
「……かみや、ごはんできたよ」
七瀬の声が、聞こえた。
はっとして守哉は目を開ける。こちらに向かって突進してきた女の子はどこにもいなかった。守哉は周囲を見回して安堵の息を漏らした。助かった……いや、七瀬に助けられた。そう守哉は感じていた。
いつまでたっても動こうとしない守哉に、不安になったのか七瀬が話しかけてきた。
「……どうしたの?ごはん、できてるよ」
「あ、ああ……。ありがとう、今行くよ」
そう言って立ち上がる。背中が嫌な汗でぐっしょりと濡れていた。寮に帰ったら風呂に入らなければならないだろう。そう思いながら、守哉は七瀬と食事を済ませた。七瀬曰く、トヨは仕事で夕飯は遅くに食べるのだと言う。いつもは夕飯は一人で食べているので、守哉と一緒に食べられて嬉しい、と七瀬は頬を朱色に染めてはにかみながら話した。寂しがり屋なのかな、と守哉は思った。
夕飯の礼を告げると、守哉は寮に帰る事にした。名残惜しそうに手を振る七瀬に見送られながら、神代家を出る。
日は既に落ちかけ、帰り道はオレンジ色に染まっていた。
「……なんだったんだ、あれ」
さきほどの女の子を思い出し、呟く。昼間の訓練で頭を打ちすぎて幻でも見たのかと思い、七瀬には言わなかったが……幻にしては、妙に現実味があった。案外、幽霊なのかもしれない、と守哉は思った。不思議な事が起こる神奈備島の事だから、幽霊がいてもおかしくはないだろう。いや、この島じゃなくても幽霊はいるが。
考え事をしていると、いつの間にか寮に着いていた。中に入ると、ロビーのカウンターで突っ伏して寝ている優衣子を見つけた。なんだか、少しほっとする守哉だった。
守哉が近づくと、足音に気づいたのか優衣子が顔を起こした。腕を枕にして寝ていたためか、ほっぺたが赤くなっている。
「ありゃ、お帰り未鏡君」
「ただいま。夕飯は食べてきたから、今日はいらないよ」
「そう。手間が省けて助かるわ。これからは毎日外食してきてくれると嬉しいわね」
身体を起こして大きく背伸びする優衣子。不意に立ち上がると、今日の営業はこれでおしまいね~、と言いながら管理人室へ消えていった。
「営業なんてしてないだろ……」
ぼそっとつっこみを入れる守哉。誰も聞いていないのがちょっぴり悲しかった。
とりあえず、風呂に入るために大浴場へ向かう事にする。風呂の準備だけはいつもしてあるのか、大浴場の中はとても綺麗だった。適当に身体を洗って湯船に入り、広い湯船の中をざぶざぶと泳ぐ。
「こんな広い風呂を独占するのって、男の夢だよな~」
広い大浴場に守哉の独り言が響き渡る。ひとしきり泳いだ後、冷水を浴びて身体を拭く。脱衣所で衣服を身につけ、ドライヤーで濡れた頭を乾かした。たんこぶはいつの間にやら治っていた。七瀬の応急処置のおかげか、それともこの島の不思議の一つなのか……恐らくは後者だろう、と守哉が考えて、乾いた髪をぱぱっと整えようとして洗面台の鏡と向き合う。
そして、背後に立つ女の子と目が合った。
「っ!?」
驚愕して守哉が振り向くと、後ろには誰もいなかった。もう一度鏡を見ても、そこに女の子の姿はなかった。
「幽霊……なのか?」
そう呟くと、背筋を嫌な汗が伝った。ゴクリ、と生唾を飲むと、守哉は逃げるように脱衣所から出て行った。
やはり、七瀬に相談しておくべきだったか、と守哉は後悔していた。
☆ ☆ ☆
その夜。
真っ暗な部屋を月明かりが照らす中、守哉は布団の上で寝そべって目を瞑っていた。何故かお腹の上に枕を置いている。
寝ているわけではない。いや、正確には、寝ようとしたが眠れなかったのだ。神代家での出来事と脱衣所で見た女の子の事が頭から離れず、寝つけずにいた。
ぼんやりしていても眠気はくるだろうが、どうせならと守哉は、言魂の練習をするために精神を集中していたのだった。
十分にイメージを終えた守哉は、そのイメージを言葉に変換し、呟いた。
「枕よ、浮かべ」
守哉の声に呼応して、腹の上の枕が空中に浮かぶ。成功だ。
しばらく精神を集中させて枕を浮かせていると、不意に頭痛に襲われて集中が乱れた。それにあわせて言魂の効力が切れ、枕は腹の上にどさっと落ちた。
「……またか」
守哉は呟いた。実は、先ほどから何度も同じ事を試していたのだった。しかし、言魂が発動するのはいいものの、少しすると頭痛に襲われて集中が乱れ、効力が切れてしまう。この頭痛は、何度も言魂の発動を繰り返すうちに酷くなっていた。
「言魂は神力と精神力を消費する……もしかして、この頭痛は精神力か神力を消費してるっていうサインなのかな」
何度も同じ事を繰り返すうちに、守哉は言魂の特性を把握しつつあった。一度は机を浮かそうとしたが、発動してすぐに頭痛に襲われ、机は僅かしか浮かばなかった。枕を何度も浮かしてみると、短時間は浮かせられるが、頭痛に襲われる。机を浮かせた時ほどではなかったものの、連続で回数をこなすほど頭痛は酷くなり、また効力も短くなっていく。しかし、しばらく時間をおいてから枕を浮かしてみると、頭痛は連続でやった時よりもくるのが遅かったし、痛みもそれほどでもなかった。
「つまり、精神力と神力は、ゲームでいう、ロボットアクションゲームのスラスターゲージみたいなもんか」
一度に使える精神力、もしくは神力は決まっていて、一度消費しても少し休めば回復する。つまり、軽い枕を浮かすのに消費する精神力と神力は少ないので、全て消費するのには時間がかかる。重い机を浮かすのに消費する精神力と神力は多いので、すぐに全て消費してしまう、というわけだ。
そう結論を出すと、ようやく眠気が襲ってきたのか、守哉は大きなあくびをした。腹の上の枕を頭の下に移動させ、横に放っておいた掛け布団を引っ張って身体をくるみ、目を瞑る。
そして、守哉の意識は遠のいていった。
☆ ☆ ☆
突如、不快な悪寒に襲われて、守哉は跳ね起きた。
警戒して周囲を見渡す。月明かりが照らす部屋の中には、守哉以外に誰もいなかった。なのに―――何故か、誰かの気配を感じる。
守哉の額を冷や汗が伝う。背中は嫌な汗でぐっしょりと濡れていた。開いた窓から冷たい夜風が吹き込み、濡れた守哉の背中を冷やす。
壁にかけられた時計を見る。時刻は午前2時―――丑三つ時だ、と守哉は思った。不吉な時間だ。この島の事だから、幽霊が出てもおかしくはない。
そこまで考えて、不意に誰かの視線を強く感じ、守哉は部屋の入り口へ目を向けた。そこで―――
部屋の入り口に立つ、女の子と目が合った。
「……ッ!!」
女の子の両手が守哉に向けられるのと、守哉が女の子と距離をとろうとして飛び退いたのは、ほぼ同時だった。瞬間、守哉の身体は見えない力に吹き飛ばされ、ベランダに転がった。背中をベランダの鉄柵に強く打ちつけ、肺の中の空気が一気に吐き出される。
「がっ……!げほっ、げほっ……!」
大きく咳き込みながら、鉄柵を掴んでよろよろと立ち上がる。手足の先がわずかに痺れ、強打した背中がズキズキと痛んだ。
女の子は、目と口の端を吊り上げると、守哉に向かってすーっと動いた。両足は動いていない。よく見ると、女の子は宙に浮いていた。
守哉の眼前で女の子が止まる。守哉の息はまだ乱れている。顔を上げると、守哉を見下ろしている女の子と目が合った。
「……なんなんだ、お前……!」
守哉の呟きが静寂な夜に響く。その問いに女の子は答えず、代わりに片手を守哉に向けた。瞬間、急激に守哉の首が絞まる。首に手をやっても、そこには何もない。しかし、確実に守哉の首は絞められている。部屋とベランダを遮るガラスを見ると、守哉の首を掴む人の手が見えた。しかし、手首から後ろは何もない。手だけが、空中に浮かんで守哉の首を絞めている。
突如、守哉の身体が空中に浮かんだ。ベランダの鉄柵の高さを越えると、守哉の身体は空中を滑るように動き、鉄柵を越える。眼下には食堂の屋根が見えた。
ここは寮の最上階―――六階だ。落ちれば、無事にはすまない。
「……や……め……」
やめろ、と言おうとするが、首を絞められているのでうまく声を出せない。じたばたと両手両足を動かしてみたが、何も変わらなかった。焦りが守哉の顔に浮かぶ。
苦しむ守哉の様子に、女の子は天使のような微笑を浮かべた。そして―――不意に、上げていた片手を下げる。
同時に、守哉の身体を支えていた力が消えた。
「う……わぁぁあああぁぁあぁあああああぁっ!!!!!!!!!」
神奈備島の夜空に守哉の絶叫が木霊する。
重力に引かれ、地上目掛けて守哉は落下した。眼下のコンクリートでできた食堂の屋根が急速に近づいてくる。同時に、守哉の脳内を走馬灯がよぎっていく。
(死んで……たまるかっ!!!)
落ち行く中、意外にも守哉は冷静だった。死を目前にして、守哉の意識が一瞬で研ぎ澄まされていく。
守哉は、一瞬でイメージした。風が身体に絡みつくイメージ。想像を言葉に変換し、守哉は叫んだ。
「―――風よ!!」
瞬間、守哉の声に呼応して、守哉の身体を烈風が包み込んだ。急速に減速していく守哉。凄まじい頭痛に襲われたが、守哉はそれを無視する。しかしすぐに限界を迎え、身体を包む風が消えた。減速しきれずに、守哉の身体はコンクリート製の屋根の上に叩きつけられる。
叩きつけられた衝撃で一瞬意識が遠のく。激痛ですぐに現実に引き戻され、痛みに顔をしかめながらもよろよろと起き上がる。
心臓が激しくリズムを刻む。生きている事を実感し、守哉は安堵の息をついた。瞬間、強い悪寒を感じてその場から飛び退く。一瞬前に守哉が座っていた屋根が大きな音をたてて窪んだ。
「冗談じゃねぇぞ……!」
窪んだ屋根を見て守哉は逃げようとした。しかし、突然何かに掴まれたように左足が動かなくなり、尻もちをつく。後ろを向くと、いつの間にか女の子がそこにいて、守哉に片手を向けていた。
体勢を崩した守哉を見て、女の子は守哉に向けていた片手を下ろし、もう片方の手を向けた。咄嗟に守哉が身体をひねると、守哉の隣に大きなクレーターが出来上がる。
(くそ……!何が何だかわからねぇが、戦うしかない!)
覚悟を決めると、守哉は左手を前にかざし、歪な星型の火傷の前で右手を握る。しかし、何も起こらない。
魔刃剣が、顕現しない。
「え!?な、何で?やり方が違うのか?えっと、どうだったっけ……」
焦って混乱する守哉。何度も同じ事をやったが、やはり何も起こらない。そんな守哉に向けて、女の子は両手をかざした。混乱していた守哉はそれに対応できず、後ろに吹っ飛ばされる。広い食堂の屋根の上を転がって、屋根の隅でようやく止まった。
「こんちくしょー……魔刃剣が使えないのなら、言魂だけでやるしかねぇ」
悪態をつきながらよろよろと立ち上がる守哉。そこへ向けて、とどめとばかりに女の子が両手を振りかざした。飛び退いて回避する守哉。今度は屋根に穴があいていた。その光景にぞっとする守哉だが、ふと疑問が頭をよぎる。
(こいつの攻撃、やたら豪快に屋根をぶっ壊してるけど、実際大した威力はないのか?)
確かに、コンクリート製の屋根を破壊しているわりに、何度か直撃を受けている守哉の身体には外傷はない。吹っ飛ばされた時に身体を打ちつけるだけだ。
(しかも、見た感じ俺のいた場所にしか攻撃は来ない。つまり、この攻撃は限定された空間にしか影響を及ぼさない。だとしたら、常に移動し続ければ直撃は避けられる……!)
しかし、守哉は右足の後遺症のせいで長時間走る事ができない。それ以前に、守哉には決め手がなかった。幽霊のように両足を浮かせている女の子に対し、言魂による物理的な攻撃が有効かどうかがわからないのである。
どうしたものか、と守哉が考えあぐねていると、女の子が片手を守哉に向けてきた。咄嗟にその場を飛び退くと、再び屋根の上にクレーターが出来上がる。
相手の動きを見ていれば、攻撃は避けられる。その間に、何らかの対策を練ればいい―――と守哉が考えていると、女の子のもう片方の手が守哉に向けられた。
「やべ……!」
しまった、と思った時にはもう遅い。見えない力が守哉を大きく吹き飛ばした。屋根の隅にいた守哉は、大きく吹き飛ばされて屋根から落ちた。食堂の周りには森林が広がっている。木々の中に突っ込み、大量の枝をへし折って守哉は地面に激突した。腰を強く打ちつけ、痛みで顔をしかめる。
よろよろと立ち上がる。女の子がゆっくりと屋根から下りてこちらへ近づいてくるのが見えた。
いい加減、守哉は頭にきていた。何度も吹っ飛ばされては身体を打ちつけているので、身体中は痣だらけである。
「もうキレた。キレましたよ、俺は。―――女だからって容赦しねぇぞ!」
最後の言葉で、守哉の目つきが変わった。一瞬で感覚が研ぎ澄まされ、一切の感情が消える。
効くかどうかなど、既に頭になかった。女の子が近づいてくるのを見て、守哉はイメージする。昼間、散々自分をボコボコにした、にっくきイメージ。
女の子が守哉に向けて片手をかざすのが見えた。瞬間、守哉は叫んだ。
「―――石よ!!」
守哉の声に呼応して、女の子の足元の石が突然飛び上がった。そのまま女の子の顔目掛けて飛んでいく。よりにもよって、守哉は女の子の顔を狙ったのだった。不意を突かれた女の子は、なすすべもなく顔面に大量の石をくらう。
「やったか……!?」
女の子の様子を伺う守哉。トヨのものよりも飛ばした石の数は少なかったが、顔面に食らえばたまったものではないはずだ。
守哉が集中を切らすと、女の子の顔面に張りついた石が一斉に落ちた。
女の子の顔は―――石の激突で、醜く腫れ上がっていた。
「うわぁ……」
さすがに守哉は申し訳ない気持ちになった。しかし、物理攻撃は効いた。これなら、女の子を倒す事ができるかもしれない。
上げかけた腕を下げ、しばらく立ち尽くす女の子。
(また、来るのか……!?)
鋭い緊張感。いつでも動けるように身をかがめ、歯を食いしばる。
永遠ような時間が過ぎて―――不意に、女の子の身体は霞みのように消えてしまった。
「倒した、のか……?」
静寂な夜に守哉の呟きが響く。意外にもあっけない幕引きに、守哉は呆然とその場に立ち尽くした。