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5話 王国歴史と女神と瞳。

 次の日から授業が始まった。

 言語は当たり前のように話せていたが文字の読み書きは出来るのか心配していたが、難なくできるようだ。

 僕が憑依される前のリリックの記憶は思い返そうとしても消えているというより、封印されているようで記憶を掘り起こすことができない。

 文字は読めるがそれを学んだ記憶がない。

 というような感じだ。

 詳しい原理なんかは考えても分からないしキリがないので、


(なんかすごい神の力っぽいのが働いた☆)

 

 くらいに思うようにした。

 今日は、初日という事もあり基本的な王国歴史からしてくれるようだ。

 とてもありがたい。

 こんなに授業を受けるのが楽しみなのは初めてだ。



 アレキサンドライト王国は建国より500年経つ歴史ある国家だ。

 王国は石の女神ラピス様と慈愛の女神アフロディーテ様を信仰する国家で2人の女神の恩恵により元は小国だったものの大陸の半分を支配する国家へと成長した。

 元々国は女神ラピス様のみを信仰しており女神ラピス様の恩恵により実り豊かな大地と気候に恵まれた国であったが、女神ラピス様は森に住む魔族によって邪神へと変えられてしまった。

 アレキサンドライト王国初代国王とその部下、現在の貴族達の祖先は邪神へと堕ちた女神を弔いを込めて討伐する事を決め互いに力を合わせて女神を消滅の寸前まで追い詰めた。

 消滅寸前で自我を取り戻した女神ラピス様がお礼として最後に与えたのが魔物と十分に戦えるほど大きな魔力と瞳の色だ。

 恩恵を与えて頂いた者は瞳の色が宝石のように鮮やかな色になりそれが貴族や王族の証になる。

 家紋の名はその瞳に連なる宝石の名が由来となっている。

 瞳の色は代々受け継がれ両親の魔力のうち、より高い方の色が例外なく子供に継承される。

 一方で魔力の乏しい平民の瞳の色は石のような灰色の一色のみである。

 女神ラピス様が居なくなってしまった国は次々に戦争を起こし始めてしまい、心を痛めた慈愛の女神アフロディーテ様がラピス様の代わりに、この国に愛と平和を与えてくださるようになったそうだ。

 女神ラピス様は邪神へと堕ちたが最後に大きな恩恵を下さったため今でも信仰している者は多い。

 また女神ラピス様の加護の宿った高貴な身分の者の瞳は貴重らしく瞳を材料に《魔眼石(まがんせき)》なる魔力石が出来てしまうらしい。

 この魔眼石は品質にもよるが高品質な物だと、たった1つでこの世界の理が全て変わるほどの力が備わっているという噂だ。

 かつて国でも作成を試みたが多くの犠牲者が出てしまっため為今では、禁忌とされている。

 そのため貴族が亡くなった際は瞳をくり抜き灰にしてから体を埋葬したり、戦時中に死を察すれば自ら瞳を潰す事が決められている。


(いや怖すぎない?!)


 こんな裏設定知らないよ?!確かに【剣と光の勇者】の内容はすごくあっさりだった。

 何故こんな薄い内容の物がアニメ化されたのかも僕の中でアンチポイントの一つだった。

 知らなかった事ばかりだし、女神もいるし、僕の瞳ってそんな貴重なのか…うっかり外出たら狙われたりとかしない?それ?

 1日目の授業は混乱と少しの不安を抱き終了し、

 僕はまた母の元へ呼ばれた。



「大丈夫、大丈夫…今日と明日耐えれば終わる」



 そう何度も自分に言い聞かせて、




 2日目今日の授業はエメラルド公爵家についてだった。

 エメラルド公爵家は古くからある家門で莫大な領地と大きな鉱山を管理しており武器制作や工芸品などが盛んで職人の街となっているらしい。

 エメラルド公爵家は代々優秀な騎士を輩出しているため外部からの侵略や魔獣討伐に大きく貢献しているようだ。

 そのためエメラルド公爵家の人間は他の貴族より皆剣術に長けている。

 僕は三男なのでいくら剣の才能があったとしても公爵家を継ぐ事はないし継ぎたくもない。

 おそらく騎士となり王家に使えるか、小さな爵位を貰いエメラルド家の領地の一部を引き継ぐ形になるだろう。

 エメラルド家は魔法に依存しない筋力こそ全ての脳筋一家らしく魔法は主に武器に付与して使ったりとメイン攻撃よりサポートにしか使わないようだ。

 またサファイア公爵家とエメラルド公爵家を二大公爵家としているため我が家は、上から2番目の家門だそうだ。

 同等のサファイア公爵家以外の貴族にはでかい顔をしていても良いらしい。

 ただ先生によると僕は体の弱いらしく屋敷の外に出た事はないみたいだ。

 恐らく虐待を外に触れ回らないようにするためだろう。

 外部から来ている何も知らない先生は

“剣術訓練で体を鍛えて早くお友達ができるといいですね”

 と爽やかに言われてしまった。

 僕は心の中で

(その体の弱い坊ちゃんはこれから鞭打ちされに行くんですよ〜)

 と皮肉を言っていた。


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