第六十四話変な奴大体死神狩り
『死神狩りNo.3、相手は他の死神狩りをほふった相手です。舐めてかかることは死神狩りNo.5、死神狩りNo.7の二の舞いになるので推奨いたしません。今回の任務は依頼主が高額の報酬を約束しています、全力で執り行ってください』
『へいへい、わかぁた、わかぁた。要するに全力で叩き潰せばいいんだよな』
男はそう言いながら、吐息を出す。
何だ?なにか聞こえたが、全く持って何を言っているかわからなかった。とりあえず吐息を出しているということは通常のノルトラだろうが、なにせ、何をやってくるかわからない闇の人間だからな。とりあえずここは『螺旋菌滅鎖』を自分につけて盾にしてアルマちゃんを守ろう。
俺は即座にバックから既に酢酸化している金属を取り出して、盾を作る。
「アルマちゃん、もしかしてあいつが何を言っているか分かったりします?」
「いや、私にも何を言っているのかわからない。ただ、前回に見た死神狩りという連中と似たような格好をしていておそらく死神狩りだということと、敵意があることしかわからない」
「了解しました。それじゃあいつを倒して突き出すということでこの場を収めますか?」
「ああ、異議はない。…………私達は政府のものです!ここは危険なのでから離れてください!」
アルマができるだけ、怪しくないようにペスト仮面をとって周囲に伝えた。
『ふん、ギャラリーにてめぇらのみっともねぇ姿を見せてやりたかったが、まぁ、それはお前らの言う正義には反するんだよな?じゃあ、やるぞ!』
何かを高らかに言って死神狩りの男は体を低くして、いつでも突進できるような体勢に移行する。
俺はいつでも受け止められるように、『螺旋菌滅鎖』を変形させて長柄の武器に変える。
「さて、やりますか!」
『準備は万端のようだな!それでこそこのノルトラが活躍するってもんだ!』
俺は何いってんだ?こいつと思いつつ、『螺旋菌滅鎖』を刃を潰した剣のようなものに変形させて、攻撃しようとする。
しかし、その瞬間。俺の体がいつもりも不調になるのを感じた。
『ふ、その反応を見る限り、俺の言葉は通じていないようだな!なら言ってしまうか!俺のノルトラはアデノウイルス、能力はただ単に風邪のような状態にすることだが、俺はステージ4だからな!単純に体にかかる負担が上がった上に、数十分経つと呼吸困難を引き起こす』
くそ、なにか長ったらしく言っているからおそらく重要なことを言ってるのだろうが、言語の壁がエベレストで越えられない。
それに、何故か体がいつもよりも動かしにくいな。これは銃を使われた瞬間に負けますね。これ。
俺はできる限り推定死神狩りから離れて、アルマに話しかける。
「アルマちゃん。ペストの能力を使って足止めすることはできますか?」
「いや、あいつがここに来てからそこまで時間が経っていない。ここで使うのは無理だね。もう少し時間を稼いでくれないと使えない」
「分かりましたよ、それじゃ、アルマちゃんはしばらく散布に専念してください、あいつは俺が惹きつけます」
「しかし、今のこの状況は芳しくないものがある、ここは一旦撤退の選択肢を取るもの正解だと思うがね?一応こちらにも銃はある。逃げられる時間を稼ぐのは十分可能だと考えられるが」
「ここで、そんなことしたら、被害を拡大させる恐れがあるので却下ですね」
「だったらどうする。この不調私の推理では間違いなく今交戦している奴のものだ。このまま交戦しても勝てる見込みがどこまであるのか、私にも分かりかねる」
「でも、確定でゼロではないんですね、わかりました。なら交戦します。俺の指示通りに後ろにいってあいつの動きを止めるために動いてください」
そう、俺があまりにも悠長に喋っていたせいか、推定死神狩りがしびれをきらして、突っ込んできた。
その攻撃を少し避けてカウンターをしようとしたが、体の突然の不調によって俺の回避は思うようにいかず、攻撃をもろに食らってしまった。
かすり傷を負う。
ちっ、この不調。おそらくノルトラによるものだな。俺の酢酸菌が聞いていないってことは、病原体はおそらくウイルスか。だが、こんな早い段階でかすり傷を負うのはまずいな。傷跡からどんどんウイルスが流れ込んで来てしまう。
俺は全力の力で離れて、その瞬間に俺の体に抗菌目的でつけていた『螺旋菌滅鎖』のいつ部を傷口を防ぐように変形させる。
これで、大量のウイルスが流れ込んでデットエンドって線は防げた。だが、問題はこれからどうやってあいつに対処するかだ。
『はっ、少し離れてもうギブアップか?それなら人生ギブアップでゲームセットにしてやるか!』
推定死神狩りは俺のノルトラの性能はもう分かったと手に銃を持つ。
俺は一切のタイムラグもなく、全力を尽くして『螺旋菌滅鎖』の変形の特性を使い、全体の十分の八を投槍にする。
そのままの流れで肩を全力で動かして投擲する。
その投槍は、まっすぐ推定死神狩りの方に進んで行く。
それと同時にノルトラの影響で並走は不可能だが、できる限りの速さで走って二分の一で作った。
ここまま行けば無事に銃を落とすことに成功すると思ったが。
『ハッ、この程度投槍なんて普段銃弾を投げ合っている人間からしたら一切の意味をなさないぜ』
推定死神狩りは俺の投槍を片手で掴んで、もう片方で銃をこちら側に向けて引き金を引こうとする。
俺は攻撃する場所を瞬時に腹から銃を持っている方の腕に変更して、蹴る。
その蹴りによって銃は中を飛んで、ナイル川に沈んでいった。
よっし!!
と思ったのもつかの間、急に蹴る場所を変更した俺は数秒の隙を生み出すという重大なミスを犯してしまったため、蹴られて3メートルほど吹き飛んで体制を崩してしまった。
『確かにこれは油断禁物ってやつだな。くそ、銃は持ち物検査を容易に突破するために一つしか持ってきてねえ。しょうがねえ、ここはスタンガンで我慢するか』
俺は吹き飛ばされた先で痛みを堪えながら体制を整え、そのついでに推定死神狩りを見て驚く。
先程の銃でまともな武器はなくなっていたと思ったが、先程まで銃を握っていた手にはスタンガンが握られていた。
これは、『螺旋菌滅鎖』で対処したら感電しておじゃんですね。圧倒的な俺の弱点キタコレ案件ですよ。どうしたものでしょうか。
そんなことを考えている隙に死神狩りが突進してくる。
と考えた俺は全力で足に力を入れて右に飛んだ。
その事によって、攻撃対象がなくなった推定死神狩りは俺の後ろに移動する。
そして、なにか音が聞こえてきたので背後からの攻撃が来ると察した俺は、後ろに来て攻撃するときに振り向く必要があると予見して、変形させて俺の手に戻した『螺旋菌滅鎖』を後ろ側の胴体くらいの場所に伸ばすように変形させて攻撃する。
その攻撃がどこかに当たったのか、推定死神狩りはうめき声のようなものを上げていた。
更に伸ばし、手に持って横に薙ぎ払う。
鈍い感触がした。おそらく命中してどこかにふっとばすことができたと思った俺は、前に後ろを向くように回りながら飛ぶ。
そうすると、見えなかった推定死神狩りの姿が見えるようになるが、ふっとばした後に推定死神狩りの取る行動が予想外のものだった。
『ふん、あのジャパニーズのガキは面倒くさいな。このままもう一人の方を倒してからゆっくりいたぶってやるぜ』
アルマの方に向かって攻撃をしようとしていたのだ。
「アルマちゃん!攻撃が飛んできてる!避けて!」
俺はとっさに叫んだ。
その叫びに気づいたのか、アルマは懐から銃を取り出して、一切のタイムロスをしないためにそのままの姿勢で腕を必要最低限の高さまでスッと上げて、引き金を引いた。
弾丸は推定死神狩りに命中して、足を負傷させる。
足を弾丸によって使い物にさせなくした影響か、バランスを崩して前のめりに倒れ込んだ。
『はは!こんなところで終わってたまる、うっ!』
推定死神狩りの言葉は何かによって遮られた。
しかし、遮ったものの正体は俺にはわかる。アルマのペスト菌の能力だ。
「アルマちゃん!やったんですね?」
そう俺が言うと、アルマは親指を立てて肯定した。
しかし、推定死神狩りの腕は微かに動いていた。




