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第六十話旅路

 肩透かしの連中を退けた俺達は、保護対象を安全に施設へ送るため合流の旅路をしていた。


 燦々と照りつける太陽。それはただの暑いだけではない。近年では環境破壊が一部地域で流行っているらしく、以上な速度でオゾン層が破壊されて驚異的な暑さになっていた。


 俺達は乗り物もなく、一部のメンバーは体力がないため徒歩で砂漠を横断していた。


 スマホは当然の如く圏外で使えたものではない。

 

「アルマ、ここからどこに行けばミラさんのところに合流又は、都市部に出ることができるか推理(占い)で分からないか?」


「糸縁、流石に私でもこんなに何も無い環境から、そんな具体的なものを見つけるのは困難どころか不可能だよ。そもそも、私の推理(占い)は私の頭脳をフル回転させて足りないところを占いで補って、父のようなまるで神みたいな推理を再現しているだけだからこんなとこじゃ、最初の行程すら行えない」

 

「そうか、なら納豆ダウジングしかないか。しかし、いま手頃な納豆がないな。どうしたものか」


 俺のダウジングできるような納豆がないという些細なことを言うと、クヌムを除いた皆が驚き出した。


「え、あの糸縁が納豆を切らしたの!?」


「まあ、ダウジングできるような納豆は限られているから、いつなくなってもおかしくはなかったしな」


「どしたん、話聞いたわ。そうか、そうか、あーそれは納豆が悪いわ。俺ならそんな思いさせないのに、それじゃ、また今度納豆を買いに行こうや。ただの納豆さんのことは親友みたいなもんやし、困っていたら手を貸したいし、批判するわけ無いやんじゃ病院に連絡、入れるね…………」


 その流れに乗ったのか、ヤッチが意味不明な構文を垂れ流し始めたので、『納刀』で軽く殴った。


「良くわからん構文はともかくとして、納豆を冗談でも侮辱するんじゃない」


DVダイレクトバイオレンスってことですね。分かります」


「糸縁、私も君が納豆を切らすという異常事態に少し困惑しているが、護衛対象のことをほっておいても良いのかね?」


「あっ、すまない。クヌム、これは結構どうでもいいことでおきた混乱で、全然気にする必要はない」


『了解しました。何を持ってこんなにも困惑しているのかは、わかりませんが、そう言うならそうなんでしょう』


「分かってくれたようで良かった」


 そういった俺達は感で砂漠を横断しようと歩き出した。


――


 ここは、エジプトの犯罪組織のビル。


 そこで苦虫を噛み潰したような顔している狙撃を受けたはずである撃墜班の長の姿があった。


『内部抗争の上に、面倒な政府の犬の介入…………頭が痛くなる。若干胃も痛いな。それにしてもどこの班の差し金かは想像ついているが、舐められたものだ。撃墜と名前についている班の長をこうも簡単に撃墜できるなどと思うなんて。まあ、いずれにしても報復はするが、真の撃墜を見せてやる』


 そう決意しながら撃墜班の長はテレビを見た。


『本日、午前11頃。エジプトの特急が何者かによって爆破されると言う事件が起こりました。幸いなことに死傷者、怪我を負った人数はいない、としていますが、爆破された最後尾の車両の乗客の安否が確認できておらず、エジプト警察は今後も捜査を続けるとのことです』

 

『長、納豆マン達の殲滅作戦は失敗しました。しかし、奴らを二手に別れさせることはできたようです』


『そうか、分かった。それじゃ、俺達を襲ったバカ野郎は始末できたか?』


『申し訳ありません。残念ながら補足することもできないくらいの速さで撤退したらしく、なにもできませんでした』


『なるほど、まあ、運が良かったんだな。今この時期の俺から逃れることができて。しかし、このことを他の班の連中に伝えたらボコボコになっちまうだろう』


『では、他の班にこの件について報告しますか?』


『ああ、他の班に餌を与えて俺達は納豆マンの確実な殲滅に努める』


『了解しました』


 そう言って、部下は任務を遂行するために部屋から出た。


――


 俺達はどの方角に行けば良いのか分からず相変わらず、砂漠の中を彷徨っていた。


「流石にこのまま放浪し続けるのは良くないな。この調子でやっていたら俺以外が死んでしまう」


「でもどうする?ここは砂漠で圏外だし、星を見て方角を見ようにも今は昼間だから、見える星なんて太陽くらいだよ」


「そうだね、星があれば占いを使う私だったら役に立つかも知れないが、その間まで何をするのかが問題だね」


「水はあまりないからあまり体力を消耗したくないところだが、どうしたものか」


「そういえば、糸縁ってミラさんから発信機とかもらったり、あっ!そういえばその翻訳装置、発信機もついているんじゃなかったけ。そこから発信してなんとかしてもらうことって――――」


 賢花が俺の翻訳装置を覗き込みつつ言うと、待っていたかと言わんばかりに声がする。


『ついにこの時が来てしまったか!まあこの機能に関しては結構なピンチになった時にしか使うつもりはなかったんだけどね。できるよ』


「それではよろしくお願いします」


『まあ、分かったよ。それじゃそこで保護対象とコーヒーブレイクでもして待っていてくれたまえ』


 その言葉に従い俺たちは少しそのばで暑さを凌ぐべくテントを設営し始めた。

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