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第五十七話自爆特攻はルールで禁止っすよね?

 納豆糸をいつでも撃てるようにして、待機する。


 ジリジリと時間が流れていって、数分後。


 敵が来たのか、貸し切っていた車両の扉が開いた。


『さて、ここに来ればいっぱい金をもらえると聞いたんだが…………』


 と言って、敵意は感じられないバンピー三人の集団が入ってきた。


 うん?もしかして勘違いだったのか?


『すみません。ここは我々が貸し切っている車両なので、断りもなく入ってくるのは、よしていただきたいんですけど』


『あっはい、わかり』


 敵意なし系集団の言葉を遮るかの如く、集団が身につけていたであろう端末から、音声が流れ始める。


『申し訳ないが、我々を追うもの諸君。君たちにはここで今そこにいる者たちへ仕掛けておいたノルトラで差し向けた者たちと共に死んでもらう』


 そんな、次元を間違えていそうなほど、創作で溢れかえっている言葉は、おそらく殆どのことを聞かされていない、集団の困惑を誘った。


『落ち着いてください。我々が保護しますので、問題ありません』


『それなら良かった!』


 そういって、集団は喜びのためか、ミラのもとに寄っていった瞬間――――眼の前にあった腹部をナイフで刺した。


 次の瞬間に、他の者達は小銃を構えて放つ。

 

『考えてみたんだ、お前たちは俺達をただの騙された一般市民だと思って、一切の警戒しないんじゃないかって』


 俺はすべての放たれた銃弾を少し掠るような形で全弾を回避したが、ミラだけはどうすることも出来なかった。


 今いるミラはおそらく、本体。死んでしまえば…………と考えた。しかし、

 

『ええ、だって私はこんな程度で死んだり、弱音を吐いたりなんて絶対しないからね。だって、酵母菌は最強だもの』


 そういった後にミラは倒れたが、他の分裂体がこの車両に入ってくる。


『てってててってってててて〜、分裂体残機ー。これを使うと分裂体のいる限り、私が死のうとも”私”は死なないわ。さっさと馬鹿なことをしていないで投降しなさい』

 

『クッソ!こんなところで捕まってたまるか!』


 一人が逃げ、もう一人が反撃なのか、ヤケクソなのか、無謀にもこっちに近づいてくる。そして、もう一人は何か内から放たれようとしているものを制御しているらしい。


 とりあえず、 俺は逃げているやつを納豆糸で捕縛して元の位置に戻しておく。


 その間にもこっちに向かってきている系の元パンピーはなにか鬼気迫った表情で向かってくるが、ジェームの筋肉によっていとも簡単に止められてしまった。


 これで終わりかなと思った瞬間、先ほどから何かを抑え込んでいたやつが、急に豆電球の様に発光し出した。


 それを見たジェームはなにか嫌な予感がしたのか、険しい顔でパンピーに近づいて、手を伸ばす。


 しかし、それは一歩及ばず、発光は限界に達して爆弾の様に爆発した。


 俺は賢花などのあんまり戦闘できない皆を守るのに意識を割いていてあんまり分からなかったのだが、ジェームは悲しい顔をしていたと思う。


 そんなことをかき消すくらいの爆発に巻きこまれ、俺達は車両の外に吹き飛ばされた。


 衝撃等々は納豆糸で誤魔化したが、咄嗟に対応してしまったのがよくなかったのか、納豆糸を無駄遣いしてしまった。


「皆大丈夫か?」


 納豆パワーによって衝撃吸収されたので問題ないとはいえ、一応は聞いたほうが良いかなと思って横たわっている皆に聞く。


 そうすると、「いてて…………」と言った感じで全員無事に起き上がった。


「はー、あのドリルみたいな変わり身の速さは一応筋トレしているとはいえ、対応難しかったか」


「おう、次からはどんな相手でも、襲ってくる想定で考えないといけないな」


「それにしても、爆発した人は大丈夫かな?なにかを抑えていた感じから爆発したけど」


「ふむ、問題あるかも知れないね。あの感じは間違いなく菌糸類、つまるところ、キノコのノルトラだ。キノコのノルトラは一回発動してしまえば、寄生主を媒介として食い散らかしながら、あの様に胞子を撒き散らす。だから、すぐにでも治療しないと助からない」

 

「そうなんだ、可哀想に。あんなに大きな爆発だったら、もうどこに飛んでいったのか検討もつかないよね」


「ああ、流石に私の推理(占い)の範疇でもなんとも出来ない」


「わかった、過ぎたことは仕方ない。元の車両にもど――」


 俺が戻ろうと提案した時、一人の少年が俺の肩を叩いた。


『あの、あなた達がナフヌ(私達)を迎えに来てくれるっていう、ノルトラの研究施設の人ですか?』

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