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第五十五話休養最終日

 納豆パーティを開催したおそらく犯罪組織のあまりの所業に、キレた俺は暴走して、納豆パワーを使いすぎた結果、一日寝込むこととなった。


 全くもってせっかくの人生というゲームの中でも最強クラスのカードである休日だと言うのに、鎮痛剤が切れていたというだけで、無効化されるのはとても不本意だな。


 ということで、今日が最終日となる。


 少し長めの休みが終わる日というのは、なにかしないといけない気がする等の焦燥感と戦う羽目になるのだ。

 

 特に前、ほとんど一ヶ月を寝て過ごし、ついでに今回一日を寝て過ごしたから、焦燥感マシマシである。まるでチョモランマだ。


 この世には、休みの終わりが近いと会社に行けるぞとソワソワする系の人種がいるらしいが、俺は彼らの様にはなれないので、どうにかして休日を充実させて焦燥感を解こう!


 ということで、俺はエジプトに、とりわけ地中海に接しているアレクサンドリアにいる。なので、シーフドを食べて心を落ち着けよう。


 俺は一日を共にした(ベット)から体を起こして、スマホをいじって皆をラウンジに呼んで、集合地点に向かった。

 

 歩いて移動し、数分の時間をかけて集合地につくと、そこには既にラウンジにいたのか、アイスコーヒーを飲んでいるアルマの姿があった。


「早いね、糸縁」


「まあ、呼び出した側だからな」


「いや、そういうことじゃなくて、起きるまでにかかった時間だよ」


「ああ、たしかに今回は一日しか寝ていないな」


「しか、って表現するのには語弊があるきがするけど、今までの長期睡眠から考えて凄く短いね」


「いや、イギリス産熟成納豆を買ってる最中に、発見した賢花を、厨二病野郎から取り戻したくらいの長さだな。まあ、相手はそこまで強くなかったしそんなものだろ」


「それにしても、糸縁の能力は難儀だね。使いすぎると強制的にロングスリーパーなんて」


「仕方ない。納豆は最強だから、人間がその力を使うんだったら、少しの代償は仕方ないものだろう。まあ、その代償もゆくゆくは無効化にして、最強の納豆を見せつけて行こう、とは思っているが…………なんかこの会話既視感あるな」


「まあ、そんな能力していたら、研究員からさっきのみたいな質問の1つや2つは受けるだろうね」


 アルマが結構美味しそうに、アイスコーヒーを飲んだ後に口を開く。


「それで、皆をここに呼んだ訳を聞いても構わないかな?」


「それは皆が来てからのお楽しみだ」


「…………分かった。推理(占い)はしないでおこう」

 

 そういって、アルマは従業に声をかけて、アイスコーヒーを持ってきてもらうように頼んだ。


 俺はその様子をみて、近くの空いている席に座って、残りの皆が来るのを待った。


 数時間後、 皆が揃った。


「さて、ここに集まってもらったのはほかでもない。俺は、昨日寝込んだから何もでなかったから、何かをするぞってことで、俺の奢りでレストランに行くぞ!」


「わーい、自分以外の金で食う飯だ!これはうまいぞ。というか、ただの納豆さんの金って、ミラさんから貰ったカードの金では?」


「…………勘の良いガキは嫌いだよ。ちょっとそこの鳩のおにぎりを提供する店に一緒に行こうか?」


「なるほど、消毒液をイッキする覚悟をしろと」


「覚悟の準備をしてくださいッ!ではないから安心しろ。少なくとも今は」


「すっげー、不安なんですが」


 俺達の会話が長すぎたのか、アルマが少し、文句がありそうな顔で突っ込んでくる。

 

「糸縁と八葉は本当に仲がいいね。羨ましいくらいだよ、是非とも私も混ぜてもらいたいものだ」


「そんなに若いんだし、別にこっちの世界(ネットミーム)を知る必要は、ないです」


「むぅ、少しばかり悔しい気持ちもあるが、仕方ない。今は我慢しておこう」


「アルマちゃん、前にも言った気がするけど、私もあんまりわかんないんだから、別に無理してわかろうとしなくて良いんだよ?」


「しかし、そんなことを言われたとしても、気持ち的にわかりたいものなのだよ。賢花くん」


「それなら、アイスティーを美味しく飲める位になったら、俺から教える」


 そう言うと、アルマが少し嬉しそうな顔をしたので、俺は今なら円満に行けそうと思いそのままの勢いでレストランに向かった。

 

 歩いて数時間後、入店。事前に予約を入れておいたのでなんなく入れた。


 店内は地中海が見えるきれいなところで、大人数が来ても大丈夫そうなくらい広かった。


 案内されて、席に座る。


 皆、夕日が映る海を眺めて幻想的な気分に浸ってるのか、少しばかり静かになった。


 しかし、少ししたら前菜が運ばれてきたので、その空気はさかれて、俺達は舌鼓を打つことにした。


――


 糸縁に銃口を向けて、納豆パーティ(笑)に招待した女性は、警察の検査がかかっていたアジトを見て、顔を歪ませて他の仲間に連絡する。


『こちらアレクサンドリア班、私を除く全員が警察に突き出された後だった。全くもって、あり得ない。私の計画した納豆パーティはなぜ失敗した?あの奇人は、納豆には特別目がない変人のはずだろう?』


『姉貴、変人奇人だからこそ、狂っている部分には個人の中で決まったルールがあって、今回はそれに反したからそうなったのでは?』


『そんなことは…………まぁ、いいわ。あんな奴を普通の解釈でやることが間違いだったわ。一応見張り兼パーティの参加者が全員集合処理させられてるから、機関銃までは効かないと思っておいたほうがいいわね』


『菌を体に入れただけでこんな無敵超人になるなんて、MI(開発者)が言っていたこととはかなり違わないか?』


『いや、アレは開発者自体も何だアレってドン引きするくらいのイレギュラーだ。参考にするな』


『あなた、何かいつもより偉そうじゃない?』

 

『そりゃそうだ、だって、実際に偉いからな。これは俺からの”最後”の忠告だ。眼の前を見てみろ』


 女性がスマホから眼の前に視線を切り替えてみると、額に突きつけられるスナイパーライフルがあった。


 そして、その持ち主は引き金を引こうとしている。


『まあ、こんな内部闘争が激しい時期だからな。成果主義だ』

 

『チッ、なるほど、用済みってことね』


 引き金は引かれた。

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