表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/57

第十八話革命の鼓動

 アルマは走りながらも推理(占い)をして、犯し罪組織バルクの長の位置を詳しく探る。


 (居場所はパリ、いやこんな大雑把な情報からでは全然特定には至らない、欲しいのはもっと詳細な…………………………見えた!エッフェル塔!)


 アルマはエッフェル塔に向かって走る。


―― 


 全然見つからねぇ。


 俺はノルトラ納豆菌を駆使し、パリ中を駆け回っていたが、恐らく俺より遅いであろうアルマは依然として見つかっていなかった。


 もしかして、俺が気づいていないだけで犯罪組織バルクのボスの場所が別でそっちの方向に行ったのか?


 考えながら走っていると、目の前に非日常が現れた。


 それは燃え盛る家財と恐らく犯罪組織バルクの関係者と思われる連中が市民に対して暴行を行っている景色だった。


「糸縁」


「ああ、見過ごせないな。賢花、降りるか?」


「うん、私は逃げ惑っている人たちの手伝いをする」


「ところでだが、フランス語分かりそうか?」


「正直なところ、あんまりできないけどかろうじてかな。話せないことはない、かな」


 そういえば、NLは弱いという理由で通訳をクビにしたが、そのせいで今こんなことになってんだよな。いや、こんな状況だったらわざわざ翻訳をする時間なんてなかっただろうから変わらないか。


 しかし………………いや、これ以上考えるのはやめておこう。それに、今はそんなことを考えるよりも重要なことがあるしな。


「そうか、多少は話せるんだな。それじゃ、被害者の避難の手伝いは任せた」


 そう俺が言うと賢花は風の如く走り出して、逃げ惑う人たちのもとに向かっていった。

  

 それを横目に見届けた俺は納豆糸で長めの棍を生み出し、手に握る。 

 

「レッツ、布教!」


 言葉とともに走り出し、現地住民を襲っている構成員を発見し、そして、俺は棍を両手に握って、構成員たちに振りかざす。


 構成員は何やらノルトラを使って俺に何かしたらしいが、雑魚能力すぎて何をされたのか分からなかったのでそのまま構成員に命中させて、気絶させる。


 そうしたら、また別の襲われている人を探して構成員に正義の鉄槌を下す。


 サーチ&デストロイを繰り返していると、何やらただの構成員には標準の黒スーツにガスマスク、派手派手で正直言ってダサいマフラーを巻いて着崩していた男がただ突っ立っているのを発見した。


「Il n'a pas l'air d'appartenir à une autre organisation qui travaille pour le patron, alors donnons-lui une bonne raclée」


 何言ってるんだ、こいつ。日本語しゃべれよ。あっ、ここフランスのパリだった。


 俺は言語の壁に激突して、何も分からないまま攻撃するのはな、と思い様子見として男を見ていると、急にこっちに向かってきた。


 その対応を見て恐らく犯罪組織バルクの関係者だろうと判断した為、俺は瞬時に男の背後に回り込み棍を振り上げて男の腰に向けて振る。


 振った棍は俺の思い通りに当たる。

 

 速さは今までの構成員を気絶させたのと同じくらいだったが、男は少々よろけただけで耐えた。


「L'escorte de la faucheuse rampante est aussi caustique que l'information le suggère. J'aurais pu être en danger moi aussi si je n'avais pas porté une tenue inconnue de l'organisation criminelle dont je me suis caché.」 

 

 なるほど、棍だけでは倒せないというわけか。


 俺は棍を一旦背中の隙間から出した納豆糸に預けて、さらにもう一方からも納豆糸を出して刃を潰した刀を再現して腰辺りに出す。


 そのまま構えて、もう一撃を放つ。


 納豆菌の能力で強く、深く踏み込んで男の骨髄を一瞬で叩く。

 

 その技は俺命名『納刀(なっとう)』。


 納刀のような構えから納豆糸で作った刀を振りかざして斬ったり、今みたいに強く打つ技。


納刀(なっとう)』によって与えた衝撃は男にとってかなりのものだったらしく、かなり痛そうな顔で耐えていた。


 まだ耐えるのか、他の構成員とは違って結構タフだな。


 そう思いながら男を観察していると何やら息を吐き始める。


 ノルトラの能力(症状)を使おうとしているのか?息を吐いているってことは、だいたい空気感染系の菌かウイルスの能力だな。それならその前にやっつけるか。


『Hoo ha ha ! Je l'ai échappé belle tout à l'heure, mais je suppose que c'était inutile avant mon virus des oreillons ! Maintenant, toi aussi, tu es la proie du virus des oreillons !』 


 相変わらず何言っているかわかんないな!まあいいか。さっさと終わらせてフランス産薔薇発酵納豆を買いに行こう。

 

 俺は棍をもう一本生成して、背中に生やした納豆糸ハンドに持たせて、今度はあんまり手加減せず『納刀(なっとう)』を放つ。

 

 その一撃によって、男は倒れた。


 よし、せっかくだからこのガスマスクをパクってこ。


 俺は倒れる時に男から落ちたガスマスクを拝借して、後々落とし物として届けるため服の下に入れ、他のところに向かう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ