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襲撃


※実在の人物・団体等とは一切関係ありません。あくまでもフィクションです。


※流血、殺傷、残酷な表現がございます。ご注意下さい。





「────息子を殺された私の恨み、…あの子の無念を思い知るがいい」



 顔に皺の目立つ女の使用人は、皇帝と同じぐらいの歳に見えた。若くはない。

 女が手にした針のような武器は、どうやら髪飾りに隠してあったようだ。


 かんざし状の髪飾りを外したため、ざんばらに髪を下ろした状態になった女。


 女が、皇帝の首にアイスピックのような太い針状のものをズブリと差し込んだ。

 白髪まじりの長い赤毛の中に、幽鬼のような女の眼が怒りでギラギラと光る。



「 ぅァ ───ッ」


 皇帝は、自分に何が起こったのか分からなかった。


 わずか数秒の出来事だった。

 油断していたかもしれない。

 簡単な軽食を食べながら報告をきいていたところだった。

 腹が少し満たされて、なんとなく安心していたかもしれない。

 午後の予定を、頭の隅で考えていたところだった。

 いつも傍に仕えている呪術師バサンの姿がさっきから見えないことも、用を足しにでも行っているのだろうと思っていた。


 レクサンドとしては不本意だったが、両国のあいだに停戦協定が結ばれ、停戦のうちにひと息ついてまた侵攻を始めるつもりでもあった。皇帝のレクサンドだけは。


 帝国上層部の他の者は、そうは思っていなかった。


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