運命を変える方法
ある日の昼休み。
僕が一人で昼ごはんを食べようと校舎の屋上へ行くと、そこには一人の少女が佇んでいた。
セーラー服の少女。なんとも可愛らしい彼女は、僕の方を振り向いて、突然に話しかけてきた。
「ねえキミ。そう、そこのキミだよ」
僕が自分を指差すと、彼女は首を縦に動かした。
「知ってる? 最近噂されてる占い師のこと。その占い師ね、人の死期がわかるんだってさ。
面白そうだからあたしもちょこっと行ってみたわけだよ。
それで占ってもらったら、なんとあたし、来週に車に轢かれて死んじゃうんだって。
ほんとかな? と思って聞いてみたら、占い師にたくさんの証拠を突きつけられちゃった。
その占い師が言うには、
『運命とは神に定められたものなのです。それを私は見ることができる。人間には運命は変えられないのです』
だってさ。
轢死なんて、そんなの嫌じゃん!
で、あたしはなんとか運命を変える方法を考えて――気づいたんだ。
ふふっ、運命は定まってなんかない、流動的な物なんだよ。
ねえ、キミはわかる? 運命を変える方法」
早口でそう言われても、僕は困ってしまう。
運命を変える方法? そんな突拍子もないことを言われても、僕は知らない。
首を横に振る僕に、名前も知らない彼女は寂しげに微笑んだ。それよりも、
「ふふっ。ごめんね、忘れて忘れて。⋯⋯じゃあね〜」
「あっ⋯⋯!」
そう言って少女は、僕の目の前から消えた。
――一体何だったのだろうか。
しばらく呆然とした後、僕は彼女の言っている意味をやっと理解した。
解説
少女の言っていた『運命を変える方法』。それは、自ら命を断つことです。
そうすれば占い師の予言通りに轢死はしません。……結局死んでしまうのですが。
轢死を嫌って自殺を選んだ彼女は、たまたま屋上へやってきた僕に話しかけて覚悟を決め、飛び降りたのです。
それを呆然と見つめていた僕は、やっとのことで少女の言葉の意味を理解しました。
ちなみにこの作品は、意味怖の師と勝手に仰いでいる絢郷水沙さんのアドバイスを受けつつ製作したものです。
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