嘘つきのうた
嘘はその人のなかで真実になるから
僕は嘘をつき続けた
偽りの真実を伝えることで
あなたを安心させたかった
嘘で着飾った自分は
一段と綺麗だった
でも
着心地は最悪だった
何年も経った
嘘はつきなれて
自分のなかでも本当になった
嘘は嘘じゃない
もうひとつの真実
そう思えた
年老いた
あなたが倒れて
私は
最期の言葉を探した
でも
私は嘘しかつけなくなっていた
だから私は
偽りの嘘を伝えて
溶けた
(文字数稼ぎ)
自分のついた嘘を正当化したい瞬間は誰にでも平等に訪れます。日常の些末な感情の暴走を言葉にしました。