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私の妹シリーズ

私は転生悪役令嬢のようですが、婚約者も同類なので大丈夫そうです。

作者: 真白

婚約者に初対面しました。

なんだか同じかほりがします。

「キャシリア。お前に婚約者が決まったぞ。」


ある日、お父様に執務室に呼ばれたと思ったら、そう言われました。

あー来ると思ってたわー。

10才の時に同い年の王子様と婚約だもんねー。


「お父様。お相手は誰ですの?」


「我がシャルロット国の第二王子、マルセル・ジャン・シャルロット殿下だ。」


やっぱりかー。

ちょっとは別の人とか期待したんだけどなー。

まあ、第二王子と私は同い年だし、家には実は私の5才年上のお兄様が(もう魔法学校行ってたから紹介してないけど)いるから問題ないし、爵位的にも公爵で申し分無いだろうし、しょうがないんだけど、確実に死亡フラグじゃん?


「どうかしたか?」


「…私のよろしいのでしょうか?」


「お前はどこに出しても恥ずかしくない、自慢の娘だよ。」


ああ、お父様…


レティ似の笑顔で見ないで!


「っ……ありがとうございます、お父様。私喜んでそのお話お受けいたしますわ。」


なんでも頷きたくなるから!!

というか頷いちゃったし!!


「そう言ってくれると思ったよ、キャシリア。急だけれど、すぐにでも顔合わせを、と陛下が言っていてね。明日にはここを出発する。」


「わかりました、お父様。」


本当に急だけれど、これはお父様に突っ込んだって仕方ないものね…


このラルフォード家から王都までは馬車で1週間程。


ああ、1週間も私の可愛いレティと離れなければいけないのね!

耐えきれるかしら…


よし!思いっきり構いまくりましょう!


そうと決まれば…


「お父様。私、レティの所にいますね。」


「ああ。レティも王都に供に行くから、伝えておいてくれ。」


……はい?

レティも王都に?


あれ?レティってゲームで学校に入学するまでラルフォードの領地から離れたこと無いんじゃなかったっけ?

第二王子達にも学校で初対面よね?


………まあ、いいか!

レティと王都で買い物でもしましょう!




一気に進んで今は王都。

王都のラルフォードの屋敷に荷物を置いた私達は城に使いを出し、返事を待つ間ティータイムにする事にした。


レティは甘いミルクティー。

安定の可愛さです!!


え?私?

前世はコーヒー派だったけど、今は普通に紅茶好きよ。

これも、ラルフォード家のメイドの煎れ方がいいのかしら…


「お父様。おしろにあがるのはいつごろになるのですか?」


あー丁寧なのにたどたどしい喋り方なレティ可愛い…。

多分、文章にしたらひらがななってるわよねぇ…←


「そうだね…陛下の予定にもよるけれど、今日はもう昼も過ぎているし、明日以降ではないかな?レティはその間お留守番になるけれど、待っていられるかな?」


「だいじょうぶ、ですっ。ルナさん(レティ付きのメイドさん)いるからっ。」


「そうか。レティは良い子だ。そんな良い子のレティには、用事が終わったら何か好きな物を買ってあげよう。」


「わ…ありがとうございます!お父様!」


笑顔のレティの頭を撫でるお父様。

あー和むわー。

何この和み空間…周りのメイドさん達や護衛の人達も微笑んでるわ。


何がほしいの?レティ!

姉さんが買ってあげたい!

なんでも買ってあげたいわ!レティ!


「旦那樣。城から使いが戻りました。こちらが書状です。」


「ああ。ありがとう。」


そこにお父様の執事さんが書状を持ってきた。

ほんの1時間前に行ったばかりなのに早いなぁ。

受け取った書状を開いたお父様が、はっと立ち上がる。


「お父様?どうなされましたの?」


「キャシー。すぐに仕度を。陛下は仕度が出来次第、城にあがるように、という事だ。」


「え?あ、はい。」


「サラ(私付きのメイドさん)。すまないが至急頼む。」


「はい、旦那様。」


今すぐに!?

サラさんがお父様に頭をさげて私に付いてくる。

レティは突然の事にキョロキョロしてる。

ごめんね?

すぐに帰ってくるからね!?


「ルナ。レティを頼む。」


「はい、旦那様。レティ様。紅茶のお代わりはいかがですか?」


「は、はいっ。よろしくおねがいします。」


お父様もルナさんにレティを頼んで私室へ向かう。


本当なんなのかしら?

普通はこの時間だし、明日以降になるハズなのに、まるで私達が来るのが待ち遠しかったみたいな…

いやいや、まさか…いくらラルフォード家が歴史ある家だっていったって……いやいや…





「陛下。突然のお呼びだし、少々驚きました。」


「すまないな、リード。」


城の一室。

そこにいるのは陛下とお父様と私だけだからか、陛下の態度は柔らかい。

この人が、あの俺様第二王子のお父様かー。

厳格そうだけど、俺様じゃないのに…

どうしてああなったんだろう…


「お急ぎでしたが、どうされたのですか?」


「いや、それがな、息子なのだが…」


「マルセル殿下が?」


陛下の様子がどこかおかしい。

というか、お父様?

笑顔で陛下を威圧しないで!


それにしても息子とか…俺様我が儘王子様だし、またなんか我が儘やったのかしら…

会うの面倒だわー…


あ、もちろん猫を着込んでるから、そんな不機嫌さは表に出しませんけどね!


「お前からの使いが来た時にちょうど息子がいてな…婚約者が来ていると聞いたらすぐにでも会う。来ないのなら自分から出向くと言い出してな…半年ほど前熱を出してから、人が変わったように落ち着いたのだが、どうしたものだか…」


「そうだったのですか。それで殿下はどちらに?」


「ラルフォードが来た、と知らせているのだが、どこに行ったものやら…」


その時、ドアがトントンと叩かれる。

陛下がそれに気付いて入室の許可を与えると、ドアが思いきり開けられる。


「陛下!ラルフォードは方々がいらっしゃったと………なんだ、レティはいないのか。」


まあ、ドアをそんな風に開けるなんて下品…。


…今なんつった!?


陛下がドアの開け方を注意したりしてるけど、私は第二王子が最後にポソリと呟いた私の可愛い可愛いレティの名前の事が頭から離れない。


なんでレティ!?

なんでアンタが知ってる!?


「キャシリア・ラルフォード。」


「は、はいっ!?」


「遅くなってしまったが、こちらが私の息子。マルセル・ジャン・シャルロットだ。」


「お初にお目にかかります。」


陛下に紹介され、第二王子、マルセル様が頭をさげる。

あれー?

我が儘俺様王子様じゃ…?


「あ、お初にお目にかかります、殿下。」


とりあえず、私も頭をさげる。

相手の方が上な訳だし。


「頭をあげてください、キャシリア。ここは非公式の場。もっと気を楽にしてください。ね?陛下。」


うわー

ものすごい丁寧!

頷いて私が頭をあげると、マルセル様も納得したように陛下の隣に腰かける。


「急に呼び出してしまい、申し訳ない。」


「あ、いえ。少し驚きましたが、お屋敷から遠くも無いですし…」


そう素直に謝られちゃうと、怒れに怒れないじゃない!?

というか、お父様も陛下もそんな微笑ましそうに見つめないで。

仲が良くていいですなぁ、とか言わないで。


いやいや!私はまず、我が儘俺様王子様の性格の違いと、可愛い可愛いレティの名前を知ってる事のが気になるんだってば!!


「…陛下。キャシリアに庭園を見せてあげてもいいですか?」


「おお、それはいい。キャシリア。自慢の庭だ。見てくるといい。」


「それは、いいね。キャシリア、案内していただいておいで。」


「は、はいっ。」


マルセル様の発言から次々と話は進んで、私達は今庭園にいます。

飛ばしすぎ?

それは気にしないでほしい!切実に!


「この辺りは薔薇。お母様が大変気に入っています。」


「まあ…とても美しいですわ。」


うん、綺麗!

ものすごい綺麗なんだけどさー

ものすごいモヤモヤするだけどー


どうする!?

どうすればいいの!?


「……ここまで綺麗だと、カメラで残したくなりますよね。」


「はいっ!………え!?」


「ああ、やっぱり。」


今なんて言いましたー!?

カメラ!?

そんなのこの世界にありませんよー!!


「知ってるよな?カメラ。あ、ケータイとか♪」


「あ、え、まさか…」


「お前もあるんだろ?前世の記憶。」


「っ…あなたも?あなたも転生者なの?」


「そ。いやー婚約者がキャシリアって聞いて、あの我が儘お嬢さんかと思ったら、なんか違うからさー。つい、かまかけちゃった♪」


ペロッ♪と舌を出すなーー!

銀髪、碧眼、色白な肌に整った顔の小柄な顔とか、私ストライクだけど、転生とかさらっと言うなー!!


「……ていうか、あなた男の人よね?なんでこのゲーム知ってるのよ…オタクなの?」


「それが素?いいね。いやいや、違うよ。たまたま姉がやっててね。ゲームの画面見せながら、このキャシリアはむかつく悪役令嬢だの、この第二王子は婚約者がいるのに他の女になびいた最悪浮気野郎だの言われてね。俺はRPG好きな野球少年だって。」


笑顔で言い切るな…


もう心の中でも突っ込むの疲れたわ…


「君はいつ思い出したの?」


「…1年くらい前。誕生日に階段から滑り落ちたわ。それまではゲーム通りの我が儘娘よ。あなたは?」


「俺は半年くらい前だね。熱出して寝込んで意識取り戻した時には思い出してた。でも、マホコイだって気付いたのは、陛下に婚約者の話された時。」


「あー…こんなんで、御愁傷様。」


「…いや?そうでもないよ?俺、結構好み♪」


「っ……!?」


ときめいた…嘘だ、ときめいてしまった…

ゲームじゃ、なんだこのアホ王子とか思ってたのに…!


うー…顔が熱い…


くそー…笑うな笑うな…!


「照れた?」


「…うるさいっ。」


「いやー…レティシアが可愛いと思ってたけど、俺はこっちが好みだわー」


「え?何か言った?」


「んー?何もー。」


あーもー頭が追い付かない!

男の扱いなんてわかんないわよ!

彼氏?

いたことないけど、何か!?←逆ギレ


とりあえず、今度レティシアを連れてくる事を約束して屋敷に帰りました。

頭が真っ白で考えられなかったけど、夕飯で気付きました。


死亡フラグ折れたんじゃね?


いや、ヒロイン補正がどんなもんか分からないからだけど、あのマルセル様なら惚れたはれたで婚約取り止めないだろうし…



後日、私にとマルセル様から花束が届きました。

お手紙付きで。

あと、まだ会っていないレティシアへ、魔法の本が送られてきました。

シスコンが漂います。


どうやら王子様は同類のようなので大丈夫そうです。



王様の口調がイマイチハッキリしません。

王子様は、腹黒笑顔風味です。

あくまで風味なので、腹黒が出るのは令嬢相手のみです。

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