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一度死んだ男、再び元の世界へ!?


「ιινπιΦδ!οπσπισπππιιο」


金髪の美少女は兵士に向かって何か言ったが言葉が分からない俺はただ見守る事しか出来ない。でも今の状態が危機的状態にあるという事は分かる。


「………ζβπΩ!∃εβωχ」


え?な、何しようとしてる!金髪の美少女が合図を出すと後ろの兵士が大砲みたいなのを準備し始める。あんなのに当たったら確実に死ぬ!


「ρισ!」


今のはあれだ、打てって言ったな。俺の予想は当たり凄い爆発音と共に球が飛んでくる。黒い球は俺達の前まで飛んでくるとパカッと割れ、中から網が飛び出してきた。不思議な事に網は抜け出そうとする程絡まって動きを取れなくする。こうして飛べなくなったドラゴンは地上へ落ちていった。


「うあああぁぁぁぁぁぁぁ!」


あぁ、また死ぬのかよ……俺。せっかく理想的な異世界に転生出来たって言うのにあんまりだぜ神様。さよなら俺……またな俺。
















「…………ん?あれ 痛くない、ぞ」


目を開けるとそこは俺が元いた場所。そう、コンビニだ。…………はい?なんで俺生きてんの!だってさっきまで異世界に行ってたんだぜ!?そうだ。さっきは金髪の美少女に…。


「…そう……たん?」


今にも消え入りそうな声で俺の名前を呼ぶのは有栖川。そう、昔は俺の事を「そうたん」と呼んでいたのだ。え?お、俺は「アリス」って呼んでたが何か問題あるかー!


「お、おぉ 有栖川。無事だったか」


「ーーーな、何で生きてる!俺は確実に当てた筈だぞ!! こいつ 化け物だ!」


俺を撃った強盗Aはすっかり怯え、挙げ句の果てに化け物扱い。これは酷くないか?俺だって少し混乱してるってのに……でもさっきのは…あれは本当は夢だったのかもしれない。だって俺は生きているのだから。


「お、落ち着けって兄貴。きっと当たったように見えただけで本当は当たってなかったんだ! だって心臓撃たれて(・・・・・・・・・)生きてる奴なんて…居るわけないだろ」


強盗Bの言葉に俺は撃たれたであろう胸を確認する。でもそこには傷跡すら無かった。でも俺は本当に撃たれて死んで、そう。神様に会って転生した!




ーーーーーーーーーホントウニ?




……え?頭の中で声が聞こえる。女の声だ。これは神様の声じゃない、知らない声。なのにどこか懐かしさを感じるのは何故だろう。


「…っ、おいテメェ! 俺が殺り損ねたって言いたいのか?オラアアァァ」


「…そうたん? どうしたの」




ーーーーーーーーーホントウニ、ワカラナイ?




「…………俺はーーーーー」



パンッ



今度こそ、確実に弾は俺を貫いていた。溢れる血、泣きじゃくる有栖川。でも撃った筈の強盗達は唖然としていた。強盗Aは一歩、また一歩と後退りながら震える。


「お、俺じゃない! 撃ったのは俺じゃない(・・・・・・・・)ぞ」


……撃ったのは俺じゃない?それじゃ、俺を撃ったのは誰だって言うんだよ。だって銃を持ってるのはお前ら強盗だけだろ。




ーーーーーーーーーサァ、コンドコソ イセカイヘ




またあの声が聞こえる。どうしても俺を異世界に連れていきたいようだ。でも、せめて有栖川の無事が確認されてからじゃないと死ねないな…。だって俺が死んだらあいつは、どうなる!?




ーーーーーーーーーソレナラ、シンパイハイラナイヨ。ダッテ、ウッタノハ カノジョダカラネ




今、なんて言った!?有栖川が俺を殺したって言うのかよ……そんなの嘘に決まってる。

今にも意識が途絶えそうになる中、俺は最期の力を振り絞って有栖川に真相を聞こうとした。


「………ドウシタノ、ソウタン?」


「…っ!」


違う、これは有栖川なんかじゃない!有栖川はこんな顔をしたりしない。これは夢だ。悪夢なんだ! 有栖川が俺を殺すなんて…あり得ない。

俺が最期に見た有栖川の顔は恐怖を抱くものだった。まるで狂気そのもの、邪悪なオーラを秘めたその瞳で。俺が死んでいくのを楽しむかのように笑っていた。


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