職業【遊び人】スライムの王になりました
ここまででたくさんのスキルを手に入れてきましたが、彼女の攻撃力はいまだ1です。
【物理耐性 LV.9 獲得】【無呼吸耐性 獲得】【テイムスライム 獲得】【スライム支配 獲得】【石の上にも三年 獲得】【天使の加護 獲得】
スキル取得音が煩いのはいつもと同様、しかしそれ以上に驚くべきことがあった。
「おきた、起きたぞ!」
「大丈夫か……?」
「ポーションを! 早く!」
周りに人だかりができていたことだ。
「あ、あの……」
「「―――」」
僕が口を開いた瞬間、皆が一斉に口を閉じた。しまったな……こんな目立つところでねむってしまったなんて。いそいそと立ち上がると僕は説明を始めた。
ちなみに獲得したスキルは以下の通り。
スキル
【テイムスライム】
スライムを各層5体まで召喚することができる。また、ステータスはカリナを参照にする。
【スライム支配】
スライムはカリナを攻撃できない。また、スライムに対して攻撃力+400%
【石の上にも三年】
防御力が常時+30
【天使の加護】
防御力が常時+50%
防御力が増すスキルをゲットしたのは良いことだが、どちらも取得条件が難関過ぎる。石の上にも三年は同一個体からの攻撃に三百回耐える。天使の加護は装備をせず一度に30体からの攻撃を受ける。これらのスキルは人に教えないようにしよう。
「と言うわけなんです」
「そんなことより聞いてくれよ!」
フィールドの広野で寝ていたままスライムにぼこぼこにされたことを「そんなこと」と言われてしまった。
「ど、どうかしたんですか?」
僕は若干の苛立ちを覚えつつも話を聞いてやることにした。見た感じ周りにいるのは14人くらい。みんな初期装備で失礼ながらもあまり強そうとは言えない。むしろスライムに手こずりそうだ。仲間意識を感じる。
「第一階層のボス、大スライムなんだってよ!」
「大スライム……?」
「助けてくれ、スライムに囲まれてた少年!」
「僕、お願いするよ!」
やんややんやと助けの声が聞こえる。第一階層のボスがスライムであったことはこの上ない幸運だ。僕も次の階層へと行きたかったところだし都合がいい。しかし引っかかることがある。
「僕……」
「ん? どうしたの?」
「おい、行くぞ! 案内してやるぞ少年!」
誰も僕のことを女だと思っていないようだった。
テイムスライムで召喚できるスライムは主のステータスを参考にします。しかしどのステータスも100を下回っているためオール1のスライムしか召喚できません。