職業【上級銃士】敵を欺き返す
ニーナは勝つためにだったらなんだってします。
「【テイム子供フェニックス】【有毒の翼】」
そう言うとカリナは翼を付け浮き上がった。第四階層のモンスターであるフェニックスの子が5匹羽ばたきだしたと思えば、火の羽が降り注ぎ始めた。
「【模倣】【挑発】」
そう言うと紫の羽も降り注ぐ、フェニックスの子の攻撃を模倣したのだろう。
それに、【挑発】の影響でアントへの魔法攻撃がすべてカリナに吸い込まれる。
「もろ攻撃をくらってるじゃねぇか馬鹿が」
「残念、ダメージは0だよ!」
つまりアントは自由か! 危険を察知すると俺はインベントリから紙を取り出すと胸の前で構えた。
「くそっ」
「【神契り】【黄泉返り】!」
アントの撃った銃弾は紙を破った。
途端、カリナの翼が消え、アントが胸を押さえて倒れた。よかった、間に合った。
アントの元へと走ると少し大きめの銃を奪う。地面が揺れカリナが地面へと着地したことが分かった。
銃口をアントの方へと向けると迷わず引き金を引く。
「【黄泉返り】」
「っ!?」
俺の撃った弾がアントに触れた。しかしその瞬間、俺が強い衝撃を感じた。素早く回復するとアントの方をじっと見つめる。
「いいメイド服だ、美しい」
「趣味が悪すぎる」
そこには自分の姿、しかし耳だけが違っていた。
「俺は猫又なんだが」
「狐の耳もいいもんだろ?」
「【猫だまし】」
「【オオカミの尻尾】」
俺は剣を横に振るが、ジャンプして避けられる。そっちを見ると、元の姿に戻ったアントがこっちに銃口を向けていた。
「【ファントムショット】」
「【紙一重】」
目の前でガラスが割れる演出が起きる。
俺は剣をインベントリに入れると隙を狙ったアントが攻撃を仕掛ける。
「【百発百中】」
「【猫だまし】」
「ファントム――」
「おっと?」
俺は胸の前に紙を持つが、攻撃は来なかった。理解している。
しかし銃を使うがゆえに近距離は弱いだろう、俺は紙を捨てて走り出す。
「気が滅入ったか?」
「【猫だまし】! 猫騙し! 【猫だまし】!」
「イカれてる」
アントは長い銃を持っている、おそらくスナイパーだ。つまりは一撃が大切。
「猫騙し!」
「あまいっ!」
その瞬間、アントはスナイパーを打ちつつ拳銃を取り出し後ろにも打った。
しかし、猫騙しの連発中に紙を宙に浮かせておいた。銃弾は紙を貫く。
「【神契り】」
「アント……?」
アントが力なく倒れた。
「学ばない奴だ」
猫騙し! 猫騙し! 猫騙し!




