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職業【遊ぶ者】錬金術師と共に爆ぜる

【爆ぜる者】と名前はかっこいいですが、要はただの自爆です。

 翼の生えたスライムがレッカに向かって飛んでいく、それに抵抗手段が無いのか複製を使い逃げ回る。


「【爆ぜる者】」


 スライムはレッカに触れた瞬間に爆発を起こす、しかし主人格ではないため、本人自体は大したダメージを受けない。

 僕はとどめのナイフを握り構える。


「後手に回ったね?」

「スキルを使ってくれないと、【模倣】にだって条件はあるんだよ?」


 レッカの走るスピードが若干早くなっているのが分かる。赤い鳥達の影響だろう、おそらくステータス上昇のバフをかけている。


「【模倣】」


 レッカの周りにスライムやイノシシが召喚される、しかし対策はできた。


「【毒壇場】鬼ごっこだよ!!」


 スライムは勢いよく相手のスライムに対し飛んでいく、しかし攻撃を仕掛けず触れるだけ。

 僕もレッカに対して全力で手を伸ばす。


「タッチっ!」

「な、なに!?」


 レッカの体に触れた瞬間、【麻痺毒の体】が相手に効く。つまりレッカは今動けない!

 とどめのナイフを振りかぶる。


「【鏡像】!」


 その瞬間、レッカも僕と同じ様に鉄の剣を振りかぶった。何故動けるのか?

 僕はナイフを振り下ろそうとして、アントとの戦闘を思い出した。


「とどめ、刺さないの?」

「あいにく、僕もまだ死にたくないんだ」


 麻痺が収まったのか目の前にいたレッカは一瞬動くとすぐさま消えた。主人格を変えたのだろう。【毒壇場】の効果は終わってしまったが、大きなダメージを負ったはず。

 僕は振り返るとそこにもいたレッカに話しかける。


「スキル【鏡像】の効果、教えてよ!」

「別にー? ただ相手の真似をするだけ、行動を強制させることもできるんだー!」

「それはスキルも真似できるの?」

「それがネック、真似して損することは無いんだけどね? 【鏡像】」


 そう言うとレッカは勢いよく剣を構えこちらに向かって走ってくる。しかし、なぜか僕も同じようにレッカの方へと走ってしまう。


「リーチの長さを利用するのか」

「正解」


 レッカは笑顔で剣を振りかぶる。

 普通の一撃でも、もろにくらえばどんな効果を与えられるのか分からない。武器による攻撃はできる限り避けたい。


「『体当たり』!」


 そう言うとスライムが全力で僕に向かって体当たりしてきた、僕は衝撃を受けその場に倒れ込む。しかし、レッカも同じように倒れ込んだ。


「機転が利くじゃん?」

「そりゃどうも」


 おそらく【鏡像】は連発可能なのだろう。一長一短だが、彼女のプレイスタイルに合っている。


「鏡像、【模倣】」


 視界内にはレッカがいない。安易に動けない。


「これでダメージを稼ぐつもり? 振り返ったら切られるかな?」

「いいやぁ? 錬金術師は戦闘苦手なんだー」


 後ろから途端に衝撃を得る。今のはでたらめか? 剣で切られてしまった、それにダメージがいつもよりも多い。


「何を模倣したの?」

「【七転び八起き】カリナは何発ダメージを食らったっけ?」


 振り返りレッカの方をじっと見つめる。


「【鏡像】」

「好きだね?」

「楽しいんだもん!」


 僕は右手を上げるとレッカも同じように右手を上げた。レッカが左手を上げると、僕もおのずと左手を上げる。


「ところで、PvPって相打ちになったらどうなるの?」

「やってみないと分からないなぁ」


 レッカは剣を両手で持つとこちらに向かって走り出した。僕もつられて走り出す。


「じゃあ試してみようか」

「……それって!?」


 途端に彼女の顔が青くなっていく。一触即発、心が躍る!

 レッカとの距離僅か数センチ、体が後ろに引っ張られるがそれを押しとどめる!


「それだけは!!」

「【爆ぜる者】!!」


 そういった瞬間、二人の体が爆発を起こした。


【鏡像】中にスライムに擬態したらどうなるんだろ……気になりませんか?

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