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職業【遊ぶ者】錬金術師と対峙する

PvPでは戦いに勝利した回数に応じてポイントがもらえ、そのポイント順にランキングが更新されます。

「あれ? レッカじゃん!」

「カリナー! お疲れ様」


 木々の奥から声がしたと思ったら、そこには手を振りながら走るレッカの姿があった。

 なんとなくハイタッチをすると、レッカは僕の手を握って話し出す。


「どうどう? 勝ってる? 勝ててる!?」

「僕の強さを舐めちゃいけないよ? 今5勝0敗中!」

「おぉ! すごいじゃん」


 レッカは僕から少し離れるとおもむろに剣を取り出した。


「【尾行】を故意に使っちゃダメじゃないかな?」

「私のスキルなんだから好きに使ってもいいでしょー?」

「僕はレッカと戦いたくないな……」

「じゃあやめとく?」


 ファンタジーでありがちな剣は『鉄の剣』。しかしレッカが作ったものなのだろう、ゆえにあの剣が普通の『鉄の剣』なのか特別な効果を持つ剣なのかが分からない。

 それに僕はまだ彼女の戦い方を知らない。僕の手の内はすでに見せているため僕の方が不利だろう。


「戦わないとは言ってないでしょ!」

「そうこなくっちゃ!」



【『レッカ』との戦闘を開始しますか?】



「いぇす!」

「【模倣】」


 スライムとイノシシ、蛇がわらわらと召喚され襲ってくる。おそらくドッペルゲンガーのスキルは強すぎ代わりに何度も連続して使えないのだろう、それぞれのモンスターが5体で切った時点で召喚が止まった。

 しかし数は多い、後手に回った分一体一体倒す手間は無い。こちらも同じ手を使わなければならない。スキルの発動を強いられた。


「【スライム】【テイム飢餓イノシシ】【テイム飢餓スネーク】」


【背水の陣】や【麻痺毒の体】の効果でこちらのモンスターの方が強い。こちらのモンスターが触れるだけで麻痺を起こし行動を制限させる。

 モンスターの動きはモンスターで封じ、僕はレッカを相手する!


「【複製】」


 そう言うとモンスターの数が一気に増えた。さらにレッカ自身も複製されている。


「レッカがたくさんいる……」


 同じ見た目の人が何人もいると気持ち悪く感じてしまう。

 しかし複数人からの攻撃はよけきれる自信が無い。


「【毒壇場】」


 そう言うと周りの景色が暗くなり所々で泡が浮かび始めた。【模倣】はテイム系スキルで使ったため【麻痺毒の体】は使えないのだろう、何人ものレッカの内その一人が範囲から出ようとしているのを見つけた。つまりはあのレッカが本物のレッカ、攻撃をするならあの一人で十分!


「【テイム飢餓イノシシ】【翼飛行】『体当たり』」


 おそらく麻痺も効くだろうと考えスキルを使う。すると、翼の生えたイノシシがいつも以上の速度でレッカに向けて飛んでいく。

 そしてイノシシの体がレッカにぶつかる!


「やった! 今だ――」


 その瞬間、後ろから強い衝撃を食らう、僕の体は急に力を失った。

 目線を下げると、お腹に剣が貫いていた。僕は素早く抜こうと剣を握り振り返る。


「【模倣】」


 逃げていなかった! おそらく【スライム】で擬態し囮につられた僕の背中を取ったのだ。

 レッカの詠唱と共に剣は光り輝きだす。そして、大爆発を起こした。


「――っ!!」

「150ダメージ……これを後6回もしなくちゃ倒せないの!?」

「なかなか強いじゃん……!」

「まだまだこれからだよ!!」


【模倣】で【爆ぜる者】を使って剣を爆発させたのだろう。そしておそらく剣事態に爆発の威力を増加させる効果があったため、これだけのダメージを受けてしまったと考えられる。

 なかなかの策士だ、しかし負けるわけにはいかない。すべてのスキルが解除された今、仕切り直しは僕からさせてもらうよ。


「【スライム】【翼飛行】」


 翼の生えたスライムが5匹僕の周りを飛んでいる。


「私もそろそろ本気で戦わないとね【テイムフェニックスの子】」


 そう言うとレッカの周りに三体の赤い鳥が飛び始めた。赤い鳥はレッカに向けて呪文を唱えると、途端にレッカの体からいろんな色のオーラが出てくる。


「紹介しよう、一本のアホ毛が『レン』、二本が『ジュン』、三本が『ツキ』だよ」

「その鳥、動画用じゃないんだ」

「私の可愛いテイムモンスターだよ!」


レッカ作成の鉄の剣は、スライムのコアからできています。

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