表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/69

職業【遊び人】第三階層ボス討伐

今日は私が風邪のため投稿を控えます。申し訳ございません。

「これ、持っててくんない?」

「これは……」


 そう言われ渡されたのは小さく輝く指輪。

 アントは横目でそれを見ていた。


「一度だけ即死ダメージを回避するんだ、レッカ作!」

「ありがと……! 助かるよ」


 僕たちは足を止めた。

 森を抜けた先にある大きな広場、木がところどころに生えており奥には一つの大木があるのが分かる。


「あの大木……もしかして……」

「どうかしたの?」


 レッカが僕の顔を覗き見る。


「僕、友達と第三階層の大きな木の下で待ち合わせをしてるんだ」

「それは多分第四階層まで来いってことだな」


 そう言うとアントは銃を手に取った。

【複製】によって増えた銃を僕たちも手に取る。


「初めて第四階層に行くにはあの大木の足元にあるゲートを通る必要がある」

「じゃあさっさと倒さないとね? 待ちくたびれてるかもよ!」


 そう言うと二人は銃を構えて広場の方へと走っていく。

 足元は草で生い茂っておりところどころに攻撃を避けるための木が生えている。

 第三階層唯一の日の光を浴びることができる広場は第三階層のボスの住処。


「僕も!」


 そう言うと銃を持って走っていく。

 広場の中央へと行くと、突如大きな羽音が聞こえてきた。


「あれが第三階層のボス!?」

「的は大きい方が当てやすいってことだ」

「アントをボコボコにした私たちの実力見せつけてやる!!」


 アントは敵の下の方へと走る、僕たちは後ろへと下がっていった。

 上から大きな羽音を轟かせて下りてくる姿はまるでボス。緑と黒の縞模様、お尻の鋭い針、鎧を砕く程大きな顎。



 草色ミツバチ

 LV.25 HP 500/500 MP 60/60



「蜂だね!」

「それがどうした、撃つのみだ! 【鷹の目】!」


 そう言うとアントは銃を構え発砲音を轟かせた。僕たちもそれに続き銃口を蜂に向ける。


「「【ファイア】!!」」


 大きい衝撃と共に僕はその場に倒れ込んだ。

 二発の閃光が蜂に向かって飛んでいく。しかし、片方の球はあらぬ方向へと飛んで行った。


「当たったぁ! ほら、立って!」

「う、うん!」


 レッカの手を掴むと銃を構えなおす。

 蜂は大きな唸り声をあげると緑のエフェクトを放つ。


「【オオカミの尻尾】」


 アントはそう言うと素早く攻撃を避けた。【オオカミの尻尾】の効果は一時的にスピードを上げる役目だそう。緑のエフェクトは地面を抉ると大きな煙を立てた。

 蜂の攻撃はアントの方を向いている方だ、作戦通りいけば、このまま僕たちの攻撃をくらわせるだけ!


「【ファイア】!」

「僕も……【ファイア】!」


 銃口が光り大きな火の塊が蜂の方へと向かっていき、その両方が蜂の体に当たった。

 アントはそれを見ると素早く走り出す。


「今だ、攻撃しろ! 【純白の魔法陣】【業火】」


 そういうとアントの周りに魔法陣が現れ、僕たちよりも大きな火の球が二つ、蜂に向かって飛んでいき爆発する。


「大ダメージ……!!」

「まだだ!」

「【ファイア】!」


 僕がそう叫ぶとさらに火の玉が蜂の体に当たる。

 それに起こったのか蜂は体を震わせると素早くアントの方へと飛んでいく。


「アント! 危ない!」

「【挑発】!」


 すると蜂の目線がこっちへと向いた。そして体を一転させるとこっちへ向かって飛んでくる。


「なにしてる!?」

「カリナ!?」

「【ハイジャンプ】」


 そう言うと蜂の体は僕のいた場所を素通りして、冷静にこっちをじっと見つめる。


「二人共、撃って!」

「分かってるよ!」


 僕よりも二人の方が残っていた方がこの戦闘、勝つ確率が上がるだろう。

 蜂はさらに二つのエフェクトを出す。


「カリナ、避けて!!」

「だめだ、あれは避けられない……」


 蜂に幾度かの火があたるが怯まずこっちを冷静に見つめる。緑のエフェクトが僕の方めがけて飛んでくる。


「【テイムスライム】【自爆】!!」


 避けられないなら避ける必要はない! スライムはエフェクトに当たると同時に大きな爆発を起こした。


「ナイスナイスナイス!!」

「やるな俺達も牽制だ、【業火】」


 そう言うとまた二発の火の玉が蜂に向かって飛んでいく。

 すると、流石に大ダメージが入ったのか蜂の体が地面へと落ちていく。大きな音と共に地響きが伝う。


「銃をよこせ、畳みかける!」

「分かった!」


 そう言うと僕たちはアントに向かって銃を投げる。レッカの銃は素早くアントの元に届いたが、僕の投げた銃は蜂の上の方を通過していた。


「馬鹿! 二人共投げてどうする!」

「そのもふもふの尻尾があるでしょ!」

「キメラなめてるな!?」


 蜂のスタンは案外終わるのが早く、僕の投げた銃を咥えるとこっちへと向かって来た。


「ど、どうしよ!」

「魔法は使うな! 暴発するぞ!」

「カリナ!」


 キメラにもドッペルゲンガーにもどうしようもできない。しかしここまで来て負けるわけにもいかない!

 そんな意志を読み取ったのか、体から光が漏れ出る。蜂の体が僕の体に当たる直前、僕はスキルを唱える!


「【自爆】!!」


 その瞬間、僕の体は大きな音を立てて爆発した。それにつられてもう一度大きな爆発が起きる、銃が暴発したのだろう。

 蜂はそれに参ったのか綺麗なエフェクトと共に姿を消していった。


「カリナ……」

「いや、生きてる? カリナが生きてる」

「うそ!」


 僕の体はゆっくりと地面へとおろされると、余った力を使って体を起こす。


「カリナ! よかったよかった!」

「指輪のおかげか」


 僕は手元を見ると、指輪は粉々になって消えていった。

 それを見届けるとレッカは勢いよく僕に抱き着いてきた。


「これで第三階層突破だね!!」

「僕はもう疲れたよ……」


 なれない銃を使ったため肩や腕がいつもよりも重い。

 僕はレッカに体重を任せた。


カリナ…今カリナって…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ