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旧「職業【遊び人】」  作者: 和翔/kazuto
第三階層
20/42

職業【鍛冶屋】モンスターの力を借りる

RCO内のスキル使用率上位欄に並ぶレッカの名前に、世間は話題を広げている……

 僕たちは町を出てすぐのところにいた。


「ところで、どうやって犯人捜しする?」

「できるかどうかわからないけど……【テイム飢餓イノシシ】」


 そう言うとイノシシが召喚に応じた。牙をぶんぶんと振り回しアピールをする。


「おぉ! 第二階層のモンスターじゃん」

「噂によるとイノシシの嗅覚は犬と同じくらい良いらしい」

「知ってる知ってる! トリュフを探すイノシシもいるんだよね?」

「それは多分豚だと思う……」

「そうだっけ?」


 首を傾げるレッカをよそ目に、飢餓イノシシにはレッカの服の匂いを嗅がせる。


「何してるの?」

「レッカの匂いを嗅がせてる、レッカが作成した武器にも同じ匂いがするでしょ?」

「なるほど、その匂いを辿っていけばいつかはその犯人のもとに行けるって訳ね!」


 さっすがカリナ! とレッカは指を鳴らす。飢餓イノシシは表情を変えることなく一方向をじっと見ると急に走り出した。


「おぉ! 置いてかないで!」

「カリナ!」

「えっ?」


 レッカはぎゅっと僕を抱きしめた。頬が熱くなる。


「レッカ……?」

「【転写】!」


 同時に、レッカの背中から緑の羽が四枚生えた。体が宙に浮くと共に速度を付けてイノシシを追いかける。


「おぉ、すごいすごい!」

「モンスターのドロップ品を集めてたら習得したんだ! 空飛ぶ鍛冶屋って、魅力あるでしょ?」


 彼女はウインクした。

 赤い短髪と緑の羽はあまりいい相性だとは思わないがそれ以上に彼女の性格がきらきらと輝いている。

 僕はそんなレッカの性格に嫉妬の念を抱いていた。


「レッカ、見ないうちに随分綺麗になったね」

「装備のこと? 鍛冶屋のスキル『一度手に入れたアイテムを作成可能』なんだけど、なぜか手に入れたことない装備品も作れたんだよね」

「ずっとアイテム作ってたんだね」

「おかげでまだLV.12なんだよねー、第三階層まで来れたのか奇跡みたい」

「オオカミ、倒せたんだよね」

「魔獣特攻が付いた装備付けまくったんだよ、つまりPVPは最弱!」


 レッカはヘラヘラと笑って見せた。

 手のひらをひらひらとしておりなんだか楽しそうだ。


「ところでイノシシ、まだ止まらないね」

「そろそろ何かしらの気配はしていい頃合いだけど――」


 そう二人で話していた瞬間。


『パンッ――』


 破裂音がした。その瞬間、イノシシがエフェクトと共に消えた。


「いるっ!」

「え、どこ!?」


 レッカが着地すると同時に羽が消滅した。僕は武器を構えて辺りを見渡す。


「あれ? 鍛冶屋の人……」


 声がする方を見る、そこは木の上、こっちをじっと見つめる彼の手元には――


「銃!?」

「職業【魔法使い】、あの銃は魔法扱いだから気を付けて」

「それは間違い。今の職業は【銃使い】」


職業【魔法使い】は基礎的な職業故、様々な職業に派生します。

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