職業【先導者】空を飛ぶ
魔法にはそれぞれ段階がありますが基本は倍率、魔法を強くする際は魔法攻撃力を上げるのが最優先です。
「うおぉぉ!! すごいすごい」
「だろー! 私だっていまだに興奮が抑えらえないよ!」
僕の体重をまるでないものかのような顔をして抱きかかえるフラムは、背中から黒くて大きな翼を羽ばたかせていた。
第二階層の全容が見れる。真ん中に町があり南に初期リスポーン地点。北には大きな岩の大地が広がっている。おそらく階層ボスの住処だろう。東西には小さめの森があるのが分かる。
「そう言えば、フラムは魔法攻撃力上げてたけど魔法スキル持ってないよね?」
「ん? 魔法はスキルじゃないぜ」
「え、どういうこと?」
「魔法は魔法だ」
そう言うと目の前にステータス画面が現れた。そして画面の左端に三角のマークがある。しかし、こんなマーク僕のステータス画面には無い。
「魔法は普通レベルを上げたり魔法屋で買うことができる。他にもスキルを使って生み出したりな!」
そう言うと同時に空の旅はひと段落終える。僕は勢いに負けそのまま地面へと顔を擦り付けた。
「うぐっ……」
スキル
【ハイジャンプ 獲得】
1分間浮遊することができる。
「まぁ見てろ、燃えろ!」
そうフラムが言い放つと同時に小さな火球がボッと現れ一直線に進んだ。僕はすかさず拍手する。
「これが魔法、もしかして覚えてない?」
「職業が邪魔して……レベルを上げても何の効果もないんだよね」
「そんなことあるのか……! でも大丈夫、大体の魔法は誰でも覚えられるからな」
そう言って手のひらを広げるとそこに巻物のようなものが現れた。
「なにこれ?」
「これが魔法屋で買うことができる魔法の大本、余ってたからあげるよ」
「それじゃあ遠慮なく」
そういい巻物を手に取ると同時に巻物は粉々になって消えた。
魔法
【爆発 獲得】
それと同時にステータス画面に新たなマークが現れた。どうやら僕の初めての魔法は爆発系らしい。物騒なものだ。
「魔族は基本的に魔法を使って戦う。だから魔法攻撃力を上げてるってわけ!」
「それって、職業【先導者】の効果乗るのかな?」
「どういうこと?」
フロムは不思議そうに首を傾げた。
僕は【テイムスライム】【テイム飢餓イノシシ】を使用する。すると目の前に二体のモンスターが現れた。
「おぉ、テイマーじゃん!」
「職業【先導者】の効果って相手の承諾が必要なんだよね?」
「そうだな。そのせいでプレイヤーからスキルの強奪はできないし、モンスターからもできない……」
「この子たちは僕が召喚したモンスター、僕は喜んでスキルをあげるよ?」
僕の策略に気が付いたのかフラムが目を輝かせている。
【複製を行う】
スキル
【スライム 獲得】【飢餓イノシシ 獲得】
「効果見せてよ!」
「まぁまぁ落ち着け」
僕はフラムのステータス画面を覗き見る。
スキル
【スライム】
常時素早さ+5
スライムに擬態可能
【飢餓イノシシ】
常時攻撃力+5
飢餓イノシシに擬態可能
フラムの苦い顔が見て取れる。まぁ雑魚モンスターだったため仕方がない。
「スキルが増えただけマシだと思おう……?」
「本当ならテイム系スキルの上位互換っぽいな。テイムスキルが消えた」
ステータス画面を閉じるとフラムは町の方を向いて歩き出した。
「とりあえず今は魔法をゲットしよう」
「魔法屋に行くんだね?」
「面白い戦法を思いついたんだ」
第二階層には武器屋、防具屋、装備屋の他に魔法屋、宿屋、レストランなどがあります。




