表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旧「職業【遊び人】」  作者: 和翔/kazuto
第一階層
11/42

職業【鍛冶屋】クエストをクリアする

ちなみにレッカのLv.は4。スキルに没頭してたみたい……

「これで完成! どうかな、これで装備できる?」

「ありがとう、試してみるよ!」


 装備はできなくとも触れることはできる。以前までは持っていても攻撃力や防御力が上がることはなかったが、今、試しに剣を握っている。すると、ステータスの攻撃力の値がぐんと上がった。

 防具は装備したいと願うだけで体に纏われた。カリナの服装はいつもの少し小汚れた服装から一変して、鉄でできた鎧を着ていた。

 スライムの鎧はおそらくレア度の低いありきたりな装備なのだろう、鎧といえど胸当てみたいなもので腹や腕は茶色いインナーが露出していた。

 しかしないよりはマシだ。防御力は十分に上がっており今やスライムの打撃でやられることはないだろう。

 もっとも、彼女の「粘性之王(スライムロード)」さえあればそんなことはないだろうが……

 カリナは装備品のステータスを見てみる。



 装備品


【スライムの剣】

 作成者『レッカ』

 スライムに対する攻撃力・魔法攻撃力上昇

 装備可能『カリナ』


【スライムの鎧】

 作成者『レッカ』

 スライムに対する防御力・魔法防御力上昇

 装備可能『カリナ』



「す、すごい……ほんとに装備できるようになった!」

「いいね、似合ってるじゃん! スライムのマークがかわいい!」


 胸当ての真ん中には小さくスライムのマークが描かれている。剣の(つば)の部分にも同様のマークが見て取れた。

 レッカに感謝しながら自分の装備品に夢中になっていたが、これでクエストが完了したことに気がつくと彼女は焦り出した。


「そ、そうだ! お礼しなくちゃ……お金あんまりないけど――」

「いいよいいよ! 必要ないよ、私は作れただけで満足だから!」

「でも、そういうわけには……」

「実はね、私の職業【鍛冶屋】は一度見たことのあるアイテムが作れるようになるんだ! だからその装備品を作らせてもらえるだけで私としては満足ってわけ!」

「そっか、この装備品は第一階層をクリアした人しか貰えないんだったよね、これで今後は自由に作ることができるってこと?」

「そゆこと!」


 クエストが完了したと思うと、効果音とともにクエスト終了の通知が届いた。

 それにしてもレッカはまだ大スライムを倒していないのかと、カリナは静かに驚いていた。

 しかし、同時に彼女が戦う姿が想像できなかった。自分は戦いのためにゲームを始めたばかりに自分とは違うタイプのプレイヤーに興味が湧いていた。


「レッカはずっと第一階層にいたの?」

「そうだね~、ずっとアイテム作って遊んでたよ。私のスキルについて詳しくなっておきたかったんだよね」

「スキル? どんなスキルなの?」

「ふふんっ!」


 レッカは体を翻し、カリナの唇に人差し指を立て「内緒」といいウインクをした。カリナの頬が赤くなる。

 呆然と立ち尽くすカリナをよそにレッカは手早く画面を操作する。


「私はそろそろ落ちよっかな、また暇な時があったら遊ぼうよ!」

「も、もちろん! 次は一緒に戦おうよ、僕も強くなっておくからさ」

「いいねいいね! その剣の威力を見せてよね」


 彼女たちは手を振って分かれることになった。

 カリナは満足げに拳を握ったのだった。



ちなみに現実世界では8月4日、夏休み中なのだ。

(添削:2025/12/14)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ