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出会いの奇跡

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2024/05/30



 世界には、豊かで平和な国がたくさんある。


 けれどこの時代になっても、宇宙に人が飛び出すようになっても、そうではない国がたくさんある。


 私達は、そんな国から飛び出すことができないから、何かの拍子に簡単に死んでしまうのだ。





「どうか幸せになってくれ」


 そういって、私の父と母は死にました。


 もう二度と、二人の料理を食べたり、昔話を聞いたりすることはできません。


「どうか幸せになってね」


 そういって、お師匠様は死にました。


 もう二度と、何かを教えてもらったり、結果をもとめてもらえる事はありません。


「どうか幸せに」


 そういって、恋人は死にました。


 もう二度と、彼と手を繋いだり、抱きしめあったりする事はできません。






 たくさんの人が死にました。


 私の身の回りにある世界では、死はありふれたもの。だから、みんな驚くほどあっけなく死んでしまいます。


 そんな中で、両親にも、師匠にも、恋人にも恵まれた私は、きっと幸せだったのでしょう。


 だから、私は託された祈りと願いを、叶えなければならないのです。


 たくさんの幸せをくれた彼等の為に、生き延びて幸せにならなければならないのです。






 でも、ああごめんなさい。


 どこかで何かが燃えている。


 近くで銃声がひびいている。


 誰かの悲鳴が聞こえてくる。


 誰かの怒声も、家の中まで聞こえてくる。


「どうかあなたは幸せに生きて」


 ごめんなさい皆。


 子供を助けるためなの。


 私が囮になって、助けなければならないの。


 皆が思う様に幸せに生きていけなくてごめんなさい。


「おぎゃあ、おぎゃあ!」


 私は小さなその命を地下の中に隠しました。


 皆が託してくれた命は、私がまた、この子に託すから。


 この愛しい命に出会ってしまったら、自分の命を捨てる事も惜しくはないわ。



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