EP 7
「はい」
「なんだただのアニメじゃねえか」
「アニメではないんですよ。Vチューバーなんで」
「おまえなあ。こんな吹けば飛ぶような男が好みなんか? わからんわぁ」
「トーマくんの魅力がわからないなら、動画見てくださいよ。きっと社長もその魅力の虜になりますから」
「いーやならないね」
「なりますって」
「なるわけない」
「もういいから食べましょう」
「ふん」
お互い沈黙で食べ始める。けれど、ん、と言ってコースターを差し出してきた。
私はそれを受け取り、あざすと軽く頭を下げる。
しばらくして私たちは食事を完食し、そしてカフェを出た。
ってもうこれデートでしょ!
私は次に推しのグッズを買いに、アニメショップへと。しかしまた社長はついてくると言う。
道中。
「社長、ちなみにこうしてデートして、私に対する蛙化現象の方は、まだ大丈夫なんですか?」
「ああ。そうだな。俺たち一応付き合ってるんだもんな。でも千景、おまえはまったくもってカエルには見えない」
「カエルに見えるかどうかじゃなくてですね」
「わかってる。嫌になってないかだろ?」
「そうです」
「なってない」
あっそ。偽っていうか仮の関係だからかな。
私はショップで幾つか限定商品を購入すると、「では、月曜日に会社で」と言った。
「え? もう?」
「少しずつ慣らしていきましょう」
そして私は駅へ向かい、電車に乗って帰途についた。明日は日曜日か。
…………
あれ? よく考えたらこれって週休1日……6連勤ってことですよね?
これは……大変だ!!