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EP 4

「おまえが帰ってから、女性たちの相手が大変だった!!」

「ですが、社長もなかなか良い案だと」

「って思ったけど、よく考えたらそんなわけがない」

「坂下様とはうまくいきましたか?」

「あんな状況で、うまくいくわけないだろう。結局、怒って帰ってしまった。破談だよ」

「それは申し訳ございませんでした」

社長はもういいと吐き捨て、コーヒーのカップを手に取り一口飲んだ。タブレットを取り、ネットニュースに目を走らせる。

私は社長室から出ると、デスクに戻り、仕事を始めた。

(確かにあれだけのライバル揃えたら、修羅場以外の何ものでもないかー。良いアイデアだと思ったんだけどなあ)←棒読み

パソコンを立ち上げる。

(まあ仕方がない。普段からの行いが、そうさせたんだから私には非はないはず。うんそれな)←完結

女たらし。社長を一言で表すなら、その言葉に尽きる。

自業自得なのだ。

「さあ、こんなことで無駄な時間を使いたくない。仕事しよ……今日のスケジュールは……」

朝イチで社内会議、クライアントの担当とランチミーティング、営業から報告を受けてから……市田不動産との顔合わせ。

(市田様はいつも、お嬢様をお連れになってくる)

『sunrise』は、近く株式の上場を狙っている。それを嗅ぎつけてか、やたらクライアントが娘を紹介したがるのだ。

(はあぁ、これから何度も、蛙化現象をなんとかしろと言われるのもキツイものがあるな……)

ため息をつきながら、私は手帳を閉じた。

「だからさ、これ以上蛙化をどうにかしようってのも、キツイものがあると思うんだ」

デジャヴか。ハイスペ社長がそうのたまった。

火曜日、朝のモーニングコーヒーを窓際で背を持たせ掛けて飲む。188cmある身長のため、窓のサッシ上部に頭がついちゃうんじゃないの? ホコリ吸ってない?ぐらいな、モデルスタイルだ。

もちろん筋トレも欠かさないから細マッチョだし、仕事はできる人だから、社員の中でもファンクラブができるのも納得だし、社内社外関わらず推しメンの1位に燦然と輝いているし、根暗メガネの私からしてみれば、後光の差す雲の上のお人だと思う。

(だからどうして私なんかを秘書に……)

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