EP 17
「こっちは肉なしの肉じゃがです」
「悪いな。冷蔵庫の中、なんもなかっただろ? 一応コレ買ってきたけど」
ガサッと紙袋を渡す。
もちろんファストフードだ。
「ハンバーガー!! 好きなんです。こういうのって、たまに無性に食べたくなりますよね」
「ポテトが食べたくてしょうがなくてね」
「ふふふ。わかります。じゃあご飯にしましょうか」
嫁のセリフ嫁認定。(二度目)
俺はもう1つの紙袋を掲げた。
「あ、あとこれ」
女性ものの下着だ。
「店員に選んでもらったから。サイズはだいたいだからぴったり合わないかもしれないけど、ないと困るかなと思って」
「あ。これはいただかなくて結構です。今、乾燥機かけてますから」
俺は驚きのあまり持っていた紙袋を落としてしまった。紙袋はそのままバサッと床に倒れた。
「え!! じゃあ今って……」
「はい。失礼ながらノーパンです」
ちかげえええぇぇ!! 俺は心の中でこれでもかっていうくらい叫んでしまった。
しかも、ごくっと喉が鳴ってしまった恥ずかしいぃっ!!
「社長の手前、大変失礼とは思いましたが。パジャマも買ってお返しします」
「いや待って。いや良いよ。いやいやパジャマくらい。どうってことない。洗ってくれればまた着れるし。いや俺は気にしないし」
「私が気にするんで。あ! 乾燥機終わったみたいなので、先に着替えてきて良いですか」
「ももももちろんです」
爆発。もしここでカエルが出てきても、テニスかなんかのラケットで、パコーンと返球することができると思う。カエルよアーメン。
*
「社長!! カエルの具合はどうですか?」
「いやあ千景には全然発動しないわ」
「もう慣れてきたんでしょうか?」
「いやまだ早いよっ。それよりどうしてこうなったんだっけ?」
「はい。まあ。これは私の提案で……カエル克服療法です」
同じベッドで二人、横になっている。NoNo 布団は一枚だが、その中に二人が入っているという意味だ。
俺がソファで寝ると毛布を持って来ると、千景が慌てて「今日は一緒に寝ましょう」とのたまった。
へ? 今なんて?
「ベッドに一緒に入って見つめ合ってみましょう。これで蛙化が発動するようであれば、また別の方法を試してみればよし。発動しないようであれば、関門クリアということで」
待て待てそれは普通にやばいだろ。社長と秘書が同じベッドで眠るなんて、これ問題起きても知らないからねの案件だろう。ってか神展開早すぎっっ!! 神よ!!