その6
「よし、加速!」
また10分かけて大穴から出て光球へむけて剣を構えて更に加速する。
5秒、その勢いのまま光球に激突した、手応えはあったが光がクッションのように少し歪んで弾き飛ばされてしまった。
これ…バリヤーなのか?
バランスを崩してふらつきながらもなんとか地面の上に着地した。
それなら!
再び腕の剣を銃へと組み替えた。
「一点集中、ロードバスター!シュート!」
銃から一直線にエネルギーが光球へと放たれた。
当たりはしたのだが、それは光球によって捻じ曲げられコアタワーに当たって軽く爆発しながらその外装を抉る。
これでもダメ…一体どうすれば…
どうするか考えていると上空からこちらに向けて何かのエネルギーが降ってきた。
とっさに避けたがそれはクレーターとなって土埃が立つ、よく見ると中心に何かいる。
「君のようなのがいるということは、やはり私の仮説は正しかったようだ…私の研究も大詰めだ。君もあれが狙いだろ?渡さないよ」
土煙が晴れていく、そこには片目の潰れた鉄の鎧を着たような姿の人(多分)が立っていた。
「その進化、君も調べ尽くしてやろう」
鎧の人がその腕を剣に変化させてこちらに飛び出す。
とっさに銃の砲身でそれを受け止める。
「そんなもので!」
マズイ…切られる…!
O2はとっさに念じて銃を剣に組み替える、その衝撃で鎧の人は後ろに下がった。
「面白い機能もついているようだね…だが、これで終わりだ!」
鎧の人がこちらに飛び出す、O2が防御姿勢を取る。
瞬間、閃光。
視野が白く塗りつぶされる、だんだんと見えるようになると鎧の人は剣に変化させた腕の部分を残して消滅していた。
理解が追いつかず、もしやと思い上を見上げる。
思った通り光球仕業そうで、真ん中に穴が空いていた。
「あれは……あそこにいるのはホノカか…?」
だんだんと光球の穴が塞がっていく。
「く………一か八か!」
剣をプロテクターに組み替えて両腕に装着し、強化したアンチグラビティで飛び出した。
音速の3倍で突っ込み、塞がる寸前でなんとか内側に入り込めたのだった。
気がつくと見覚えのないところに立っていた。
草原とかいうやつ…だろうか、緑の絨毯がどこまでも続いていてその奥に街が見える。
見上げるとそこは底抜けに目眩がするほど明るく、青色に透き通っていた。
O2が一歩踏み出す、その瞬間緑の絨毯は灰色の床に変えられて青いそれは消えて濁ったような薄暗い明かりに変わった。
振り返ると何かの台が見える、そこに少女が横たわっていた。
少女へと踏み出す、そこはどこかの研究室に変わった。
辺りを見渡すと奥の扉が開いている、入ってみると大きめのカプセルと配線が散乱する部屋だった。
カプセルの中を凝視する、何か入っているようなのだ。
「…あれ、ホノカか?」
そのカプセルの中に入っていたのは素っ裸のホノカだった。
「よし…ロードバスター!」
プロテクターを銃に組み替えて右腕に装着し、カプセル目がけて放った。
だがそれは何事もなかったかのようにそこにあった。
「ダメか…」
あたりを見渡し、カプセルの目の前にあった機械を操作する。
「ゔ…なんだこれすごいな…でもこれなら…」
だいぶ複雑なセキュリティだったが何とか突破してカプセルが開放された。
「よし…」
機械から顔を上げるとそこには何もなかった。