22足掻く
僕の属性は磁力だった。今まで聞いたことあるのがシュカさんの火、先生の風しかないが僕は誰とも違うものらしい。以前聞いたことがあるが、一般的に魔力を持つ人間は火、雷、風、水のどれか4つの属性を割り当てられる。僕はそのどれにも当たらない特異な能力を得た。
(山田くんも錆属性っていってたし僕たち転生者は普通とは違う能力を貰うのかもしれない......)
そんなことが一瞬よぎったが今の自分にはそんな事を考えている余裕はない。今は自分1人。目の前には自分を殺そうとする敵がいる。
「流石に大ぶりだね。まだこの世界に来て日が浅いのかなー? 残念。これじゃ楽しくなさそうだ」
そう言って僕が振った刀を軽々とジャレハと名乗った鬼が避ける。
「遅いし隙だらけだよ」
「っ!」
こちらが刀を振り下ろした後を狙って瞬時に腹に棍棒を叩き込んできた。痛い痛い。なんて痛みだ。こんな強い痛みは感じたことがない。もう逃げたい.......
僕はそんな弱気なことを考えながらあまりの痛みにうずくまってしまう。一撃入れられただけでこの痛みだ。それにあちらは全く本気を出しているようには見えない。
「つまんないなー。前会った転生者のやつは強かったなー。うんあれはすごく良かった。まじで死ぬかと思った。ハラハラして楽しかった。でも君じゃ楽しくないね」
がっかりだといわんばかりの声色でゆっくりと鬼が近づいてくる。まずいどうにかしないとこのまま殺される。でも恐怖で体が動かない。また立ち向かえば痛い目に遭うとわかってる。でもこのまま何もしなければ殺されるだけだ。
「さようなら。潜在的な魔力量は多そうだからうちのボスも美味しく食べてくれそうだ。恨まないでね」
ニイッと笑った瞬間全力で鬼が振り上げた棍棒を蹲っている僕に振り落とす。
「今だ!」
「!?」
僕は今までにないくらい強い力で刀を握りしめてより強く属性を流し込んだ。この鬼はとても早い。油断しきっているこの瞬間に僕の全てをぶつける!
「まじか、やるじゃん」
鬼がそう言ったと同時に僕が下から振り上げた刀身が鬼の体を切り裂いた。そして、切られた部分から紫色の光が大量に発せられ凄まじいスピードで後方まで飛ばされていった。
「やった! 僕の攻撃が当たった。 属性がうまくながれたんだ...... 僕の属性は磁力。あいつを斬った瞬間に自分と同じ磁気を持たせて反発し合う力を利用し吹っ飛ばしのか。
これで1つ自分の能力について少しわかった。僕は触れた対象に任意の磁気を与え、自分の刀に付与する磁力によって対象に与える反応を変えることができる。
まだまだわからないことばかりだけど、これなら行けるかもしれない。
「とか思ってないよねー? やっぱり転生者は不思議な力を使うから面白いよねー」
「ウワっ!」
かなり遠くまで飛ばした鬼が一瞬で僕の前に現れ目にもとまらぬ早さで僕の顔を殴りつけた。なんて速さだ。全く目で追えなかった。僕もまた同じように後方に吹き飛ばされた。
「僕たち鬼はね、人間の何倍も身体能力が高いんだ。ごめんね、ずるいよね。でも君たちも転生者なんだろ。もっと面白い力見せてよ」
そう言ってガハハと笑っている鬼は全く僕の攻撃が効いているようには見えなかった......




