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hope

レビュー執筆日:2020/10/24

●聴けば聴くほど味が出てくる「スルメ」のようなアルバム。


【収録曲】


1.レモンパイ

2.遠心

3.ボーイ・ミーツ・ワールド

4.ブルーベリー・ナイツ

5.hope

6.この度の恥はき捨て

7.Supernova

8.愛のレンタル

9.うそなき

10.Mr.ウォーター

11.たしかなことは

12.恋人ごっこ

13.ヤングアダルト

14.青春と一瞬 (Strings ver)


 最近、様々な所でそのユニークな名前を聞く機会の多いバンド・マカロニえんぴつ。今作で初めて彼らのアルバムを聴いた私の印象としては、ミディアムテンポのギターロックが中心で、歌詞に関しては庶民的である意味「小ぢんまり」とした感情の機微を描いたものがメイン。このように書くと地味な作風に見えるかもしれませんが、曲ごとに様々な工夫を凝らして単なる「地味」で終わらせないようにしている印象を受けました。


 例えば、『ブルーベリー・ナイツ』は「冷めないで 消えないで」というフレーズが非常にキャッチーですし、『hope』は何度も繰り返されるストリングスの旋律が印象的。『恋人ごっこ』は終盤で急にリズムが変わる点が面白いですし、『ヤングアダルト』は所々に「あの子の孤独を殺せてたらな」「手首からもう涙が流れないように」等といった鋭い歌詞が出てくる点が興味深く思えます。また、これまで挙げたようなメロディをシンプルに聴かせる「真面目」な曲のみならず、合間に『この度の恥は掻き捨て』や『Mr.ウォーター』といった奇妙でコミカルなナンバーを配置するという「遊び心」もあり、様々な面でリスナーに良い意味での「引っ掛かり」を与えてくれます。


 また、随所でどことなくレトロな雰囲気をのぞかせるのも今作の特徴と言えるでしょう。『レモンパイ』のイントロのキーボードのフレーズなんかまさにそうですし、先程挙げた『この度の恥は掻き捨て』はチープな打ち込みのドラムが印象的(ユニコーンの『人生は上々だ』を意識したのでしょうか?)。また、『ボーイ・ミーツ・ワールド』『ブルーベリー・ナイツ』といったタイトルをカタカナで表記する辺りからもどこか「昔っぽさ」を感じられます。


 個人的には、最初に聴いた時は小さくまとまっている印象がありましたが、何度か聴くうちにメロディや先程挙げたような「様々な工夫」、絶妙な「レトロ感」が際立ってくるように感じられる、まさに聴けば聴くほど味が出てくる「スルメ」のようなアルバム。これほどの作品を作り上げられる彼らならば、今後、そのユニークなバンド名を耳にする機会はさらに多くなってくることでしょう。


評価:★★★★★

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