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天使すぎる転生幼女は魔族を平和に導きたい!  作者: 由岐
第8章 私と彼の理想の魔王像
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初めての旅行もそろそろ終わり

 翌朝、私は少し早めに目が覚めた。


 まだ太陽が昇り始めて、間もない時間。

 ぼんやりと目を開けると、とんでもなく整ったお顔の超絶美麗なイケメンが眠る様が目の前にありました……。


「…………ふぉっ」


 何か、気持ち悪い声出ちゃった……!

 いやいや、仕方が無いよこれは! 寝起きにこのイケメン魔王様フェイスが間近にあるのは、心臓に悪いですから!!

 もっと気色悪い声が出なかっただけマシだと思うんです、はい!!


 ……よーし、ちょっと冷静になろうか私。


 えーっと、昨日は確かお父様の部屋にお邪魔して、シィダと一緒に川の字になって寝た……んだったよね……?

 まあ、寝ている順番的には『川』っていうより、スマホの電波表示のマークみたいな形になってるんだけど。


 で、今日はエディさんの体調が良くなっているかどうか、お父様が確認するんだった!



 ……それに、昨日あの洞窟の中で襲って来た触手の魔物の事も、お父様やエディさん達が調べるんだろうな。

 簡単には倒せないけれど、私の魔法なら通じた相手。

 触手の魔物かぁ……。暗くて全体像まではよく見えなかったし、結局あの魔物がどんな敵だったのかも、いまいち分からなかったんだよなぁ。


 近くで見たあの触手の感じ……表面がぬらっとしてたんだよね。

 あれがもし植物のツルだったとしたら、あんなタコとかイカみたいなヌメヌメしたテカり方はしないはず。

 それに、あの魔物が出て来た場所からしても、海水が入り込んでくる方向から植物系の魔物が現れるというのは考えにくい気がするんだよ。


 ……となると、やっぱり海洋系の魔物って事だよね?

 それじゃあ私達が高波に呑まれたのも、あの魔物の仕業だったって事はない……?

 何らかの理由で私達があの魔物に目を付けられたから、海で襲われた──


「……どうしたルカ、目が覚めてしまったのか?」

「あっ……お父様……」


 ベッドの上で考えを巡らせていると、いつの間にかお父様も起きていたらしい。

 お父様は「もう少し寝ていたらどうだ?」と言いながら、私の頭をわしゃわしゃと撫でてくれる。


「えへへ……髪の毛ぐしゃぐしゃになっちゃいましゅよ〜」

「問題は無い。元から寝癖が酷いからな」

「ええっ!? ほ、本当でしゅか……!?」

「フッ……嘘だ」


 嘘なんかーい!!


 ……とは、正面から突っ込めません。

 いくら義理の父とはいえ、魔王様にそんな舐めた口きけませんからね!!


「……それで、返事は?」

「んー……それじゃ、お言葉に甘えて二度寝します」


 ひとまず、あの魔物については私もちょっと調べてみようっと!

 ……お父様とシィダと、もう一眠りするのが先だけどね!




 *




「……ふむ。特に魔力の流れに異常は無いな。何か不調はあるか?」

「いいえ、好調です。ヴェルカズ様が用意して下さった魔法薬の効果もあって、魔力もかなり回復しているようです」

「ならば良い」


 しっかり二度寝をした私とお父様は、朝食を済ませた後にムウゼさんの様子を見に行った。

 お父様が直接ムウゼさんの身体に触れ、魔物に吸われてしまった彼の魔力に異変が無いかどうかを調べ……今の所、特に異常は無いようだった。

 これには一緒に魔物に襲われたエドやティズさんも安心していて、一晩交代でムウゼさんの様子を見守っていたナザンタさんとエディさんも、ホッとした様子だ。


 すると、お父様が続けて言う。


「……貴様らが襲われたという魔物についてだが、私やエディオンにも心当たりが無い。調査についてはベルスディーアも加わらせるが、今後もそのような魔物を発見次第、すぐに報告をあげろ。……勿論、ルカやエドゥラリーズもだ」

「はい、お父様!」

「はい、お義父様!」

「だから、貴様のお義父様ではないと言っておろうが!!」


 私と一緒に元気に返事をしたエドにお父様がキレるのも、すっかりお馴染みの光景になりつつあるけれど……。


「……後程、またエドゥラリーズには厳しく己の立場というものを理解させるとしてだ」


 お父様は大きく溜息を吐いてから、椅子に座って診察を受けていたムウゼさんの肩に手を置いた。


「ムウゼは念の為、今日の所は宿から離れるな。貴様達も、件の魔物が他にも潜んでいる危険性がある故、残念だが海には近付き過ぎないようにせよ」

「せっかくのリゾート地なのに、海を楽しめないっていうのは残念ね……」


 リーシュさんのその言葉に、私は心の中でそっと同意する。

 けれどもそんな悲しみを吹き飛ばすように、ナザンタさんが明るい声で大きく手を挙げた。


「でもでも、昨日二人で良さそうなお店見付けちゃったんだよね〜!」

「そうそう、そうなのよ! 彼と一緒に良いお土産が無いか探していたら、ルカ達が喜びそうなお店があって……」





 それから私達は、ソルジアで過ごす日々をたっぷりと満喫した。


 ナザンタさんとリーシュさんが見付けたお店というのは、もりもりの南国フルーツとクリームがたっぷりのふわっふわパンケーキが名物のカフェだった!

 あまりにも当然ながら私は大喜びしたし、エドも子供らしく目を輝かせてはしゃいでいるのが新鮮だった。

 初めて王宮でエディさんに食べさせてもらったパンケーキも美味しかったけど、こういう旅行先で食べる名物っていうのもまた良いよね! パンケーキ最っっ高!!


 お腹に余裕が出来た後は、初日にエドが食べそびれたかき氷を一緒に食べて、色んなお土産屋さんを見て回った。

 エドもお城の人達の為にと、持ち運びしやすいお菓子を選んで買っていくらしい。ご家族の分も一緒に選んでるんだろうなぁ。

 私の場合は保護者同伴だから、お世話になっている侍女さんやディーアさんの分を選ばないと……!

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