ナルシスト王子様系彼女をわからせるつもりが、逆にわからされる(1400字)
演劇の練習?
いらない、いらない。
ボクは演技の天才だからね。
練習なんてしなくても、次の演劇コンクールだって、ボクの優勝に決まってるよ。
即興演技で、どんなお題が来たとしても、完璧に演じてみせるさ。
なんたって、ボクは、端正な顔立ち・イケボ・圧倒的な演技力を兼ね備えているからね。
もしも、ボクが優勝できないとすれば、それは審査員がヘボなのさ。
ああ、我ながら、自分の才能が恐ろしいね。
え? じゃあ、今から、コンクールのつもりでテスト?
キミの出したお題を、ボクが完璧に演じられるか、試すってわけかい。
いいよ。 それぐらい朝飯前さ。
どんなヘンテコなお題でも、問題ないよ。
このボクに演じられないお題なんて、存在しないからね。
さあ、お題を言ってくれ。
……ふふ、……あはははっ。
何なんだい、そのふざけたお題は。
『彼氏のふりかけ君を裏切って、納豆君にメロメロになっちゃう白米ちゃん』?
いやあ、たしかにボクの想像の上を行く、ヘンテコなお題だね。
よくもこんな変なシチュエーションを考えられたもんだ。
……ん?
でも、待てよ。
よく考えたら……そのシチュエーションって……。
ははーん。
なるほど、そういうことかい。
これって、実はキミの性癖に関係するシチュエーションじゃないのかい?
いや、前にキミのベットの下をチェックさせてもらってね。
そうそう、キミがトイレに行ってる間に、こっそり見させてもらったよ。
まあ、いいじゃないか。
ボクは、キミの彼女なわけだし、それぐらいの権利はあるだろ??
キミの好みというものを知っておきたかったんだよ。
髪型とか、服の趣味とか、キミの好みに合わせることもできるしさ。
キミは勘違いしてるみたいだけど、ボクは彼氏が喜んでくれるように、そういうの頑張るタイプなんだよ?
まぁ、そこで見つけたお宝本だけどさ。
いわゆる「NTR」というやつかい?
自分の彼女が他の男に取られちゃうシチュエーションの本が多かったよね。
ヘンテコなお題にするといいながら、自分の希望のきわどいシチュエーションをさせようとしてた訳だ。
悪い彼氏だな〜。
ふふっ。でもいいよ。
キミがやって欲しいと言うのなら、全力で演じてあげるね。
ボクが他の男に取られちゃうところ。
じゃあ、まずは、彼氏のふりかけくんに一途な白米ちゃんを演じるね。
『ふりかけさん、気をつけてね』
『ちゃんと手紙書くから』
『私、待ってるから』
『元気に帰ってきてね』
ふふ、それじゃあ次は、納豆くんに取られちゃった白米ちゃんをやってあげるね。
『ふりかけさん、ごめんなさい』
『私、もう納豆さんの女にされちゃった♡』
『でも、ふりかけさんが遅いのが悪いんですよ』
『残念♡ 昔みたいな関係には戻れません』
『だってもう私、納豆さんと、混ぜ混ぜされて、ネバネバになっちゃったの』
『ふりかけさんは単品で、粉薬みたいに食べられちゃって下さいね』
『ざーこ♡』
ふふふ。
さて、どうだった?
ボクの演技は。
ああ、感想は言わなくてもいいよ。
キミの体を見たら分かるからさ。
おいおい、隠しちゃダメだよ。
ほら、なんでうずくまってるの?
立ち上がってごらんよ。
え〜、今は無理??
ふふっ。ざ〜こ♡




