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高身長ボクっ娘リケジョに別れ話をしたはずなのに(2000字)

もう実験をやめたい?

……それは、まさか、ボクと助手くんで行なっている、恋愛実験を中止したいということかい?


なぜだ?

なぜ、キミはそんなこと言うんだい?


今まで、実験はうまくいっていたはずだろう?


2人で手を繋ぐ実験だって、ハグをする実験だって、興味深いデータを得ることができたじゃないか。


それなのに、今さら実験をやめるだなんて。


もしかして、……次の実験が嫌になったのかい?


ボクと……キスをする実験が……。


ボクは助手くんとのキス、……楽しみにしていたのに……。


でも、助手くんはボクとキスするの、嫌だったんだね……。


嫌じゃないなら、……なんで?


なぜ、実験をやめたいって言うんだい?


……キスは本当に好きな人としないとダメ? そんなこと、誰が決めたんだ。


ボク達は、実験の間は、恋人同士なんだよ。だったら、キスだってしてもいいじゃないか。


じゃあ、それならボクを本当の恋人にしてくれよ。


実験をやめるって言うんだったら、ボクと本当に付き合ってよ。


それでキスしようよ……。


なんで、断るんだよ。


ボクと手を繋いだ時、ハグした時、助手くんもドキドキするって言ってくれたのに。幸せだって言ってくれたのに。


ーーは、ははっ。

あはははははははっ。


なんてね。


助手くんの気持ちなんて、ボクには分かっていたよ。


ボクは天才だからね。助手くんが、実験の継続を断ることなんて予想済みだよ。


だから、キミが実験を続けると言ってくれるように、もう準備はしておいたんだ。


ふふ。ボクの右手のこれが気になるかい?


これは、ちょっと家庭科室から借りてきたものだよ。


理科室に、普通こんなものはないだろう?


ところでさ、これの数え方なんだけど、1本、2本で数えるのは変だと思わないかい?


鉛筆のように細長いものを数える時なら分かるよ。


でも、これは持ち手の部分は細長いかもしれないけど、刃の部分は全然細長くないじゃないか。


だから、これを数える時に、1本2本と数えるのは、ボクはあまりすきじゃないんだよ。


さてと。

それじゃあ、脅迫する訳じゃないけど、ボクとの恋愛実験、続けてくれるかな?

ボクだって、できれば手に持っているこれを使いたくはないんだよ。

じゃあ、いい返事を聞かせてくれるかな?


はぁ……。そうかい。

キミも強情だね。

じゃあ、ボクの右手の「これ」を使うしかないかな。


……な~んてね。

冗談だよ。

こんなものに頼るのは、科学者としてスマートじゃないよ。


ていうか、重い。

ポイっと。


ああ、助手くん、拾わなくていいよ。

そのまま床に転がしておけばいいから。


拾わなくていいって言ってるのに……。

キミが悪いんだよ。

ボクの忠告を無視して、拾おうとしたキミが悪いんだ。


おやおや、助手君、足元がふらついてるよ。

それもそうか。


キミは私の仕掛けておいた策にハマってしまったのだからね。

この科学室には、あらかじめ特殊なガスを充満させておいたんだよ。


一定量吸ってしまえば、意識がぼんやりしてしまう特殊なガスをね。

このガスは空気よりも重たいんだ。

だから、ガスは教室の床のほうにたまっている。


床に落ちている「それ」を拾おうとして、キミはガスを吸ってしまうというわけさ。

やっぱり科学者としては、物理的な道具を使うのはスマートじゃないからね。

だから、こうやって、化学物質を使ったという訳さ。


まぁ、安心してよ。

何も毒ガスって訳じゃないからさ。

このガスを大量に吸ったとしても、キミが死んでしまうということはないよ。


ただ、助手くんには、眠ってもらうだけだよ。

まぁ、ちょっとしたオマケの効果もあるんだけどね。

でも、それをキミが知る必要はないよ。

じゃあ、おやすみ……。


【少しの間】


おーい、助手くん

やっと目が覚めたかい?

疲れが溜まっていたのかな。


よし、そんな助手君のために、ちょっとした実験をしてあげよう。

体を楽にして。


ぎゅ~♡


どうだい? 気持ちが楽にならないかい?

そうかい。それは良かった。


体と体のふれあいというのは、ストレスが軽減する効果があるらしい。

だから、こうやってハグをして、助手くんの心がどれぐらい癒されるのか、調べてみよう。


ハグだけじゃなくて、手を繋いだり、一緒に出かけたり、恋人みたいなこともしてみようか。名付けて「恋愛実験」だよ。


もちろん、助手くんは拒否なんてしないよね?

前回も、この段階でキミが拒絶することはなかったものね?


ふふ、さて、今回も完全に催眠にかかっているね。

キミは今までの実験について認識できない。

ボクとの実験を拒否した記憶を思い出すことができない。

ボクがこうやって話している内容も認識できていない。


科学の発展というのは、トライ&エラーの歴史だ。

うまくいかなかったのなら、やり方を変えて繰り返せばいい。

キミがボクのことを好きになるまで、……何回だって実験を繰り返すからね❤

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