ヤンデレなサソリ娘のあまあま中毒(1400字)
あれから、何日くらいですかね。
砂漠の真ん中で、倒れていたあなたを助けてから。
五日?
もう五日になるんですか?
早いですねえ。
いえいえ、お礼なんていいですよ。
私、砂漠でずっと一人で寂しかったんです。
だから、あなたみたいな人間さんでも、
話し相手ができたのが本当に嬉しくて。
ごはんのことも、全然気にしないで下さい。
私が好きで用意してるだけなんですから。
じゃあ、今日の分のご飯をあげますね。
はい、どうぞ。
わたしの尻尾の針から、ちゅっちゅって、吸って下さいね。
そんなに慌てないで。
もっとゆっくり吸ってください。
はじめは尻尾の針から吸うなんて、あんなに驚いていたのに。
今じゃ、夢中で吸っちゃって(笑)
まぁ、人間は知らなくて当たり前ですけど、
私たちサソリのモンスターは針から毒だけじゃなくて
仲間を回復させる薬を出すこともできますからね。
って、針からご飯を吸うのに夢中で、全然聞いてくれてませんね。
おいしいですか?
そんなに必死に吸っちゃって、かわいい♪
慌てなくても、まだまだたくさん出してあげますからね。
ほら、もっと吸ってください。
た~くさん出してあげますから、
ちゃんと全部飲んでくださいね♪
あれ? どうかしました?
はやく隠れないと?
あ!! あの遠くにいるのは、人間たちですか?
砂漠を横断している商人と、あの強そうな人は、護衛の冒険者ですか!?
そうですね、私は人間に見つかったら、討伐されてしまうかもしれません。
はい、じゃあ、その岩のかげに。
(間)
……ふぅ、気付かれませんでしたね。
あの、あなたは、どうしますか?
今から追いかけたら、人間たちに追いつけると思いますよ。
人間の国に帰りますか。
帰りたいですか?
…………帰っちゃだめです。
ごめんなさい。
……私、嘘ついてました。
あなたにあげてたご飯は、ただのご飯じゃないんです。
あれには実は毒も入ってたんです。
もうあなたは、私のご飯なしでは生きていけません。
だから、どこにも行っちゃだめです。
……ずっと私のそばにいて。
嘘ついてて、ごめんなさい。
私、ずっと寂しくて。
だから、私の毒で、中毒になってくれたら、逃げられないって思ったから。
こんな卑怯な私のこと、嫌いになりましたよね?
でも、いいんです。
嫌われたって、あなたがずっとここにいてくれたら。
え?
私のこと、嫌いにならない?
そんなこと言われたって、騙されませんよ。
どうせ、私を騙そうとしてるだけなんでしょ。
え?
砂漠で倒れていたのは、遭難したわけじゃなかった?
死のうと思って、砂漠に倒れていた?
人間の世界で色んな嫌なことがあって、
どうせだったら誰にも知られずに死にたくて、
あんな砂漠のど真ん中まで、やってきたんですか。
それじゃあ、あなたが死ぬのを邪魔した私のことを、
もしかして、恨んでるんじゃ?
優しくしてもらえて嬉しかった?
私が人間じゃなくてもですか?
私のことが好き、なんて。
そんなこと言われたら、うれしすぎます////
はい、わたしも、あなたのことが大好きです。
これからも、ずっと、一緒にいましょうね。




