ヤンデレ蜘蛛娘の毒で、魔物の仲間入り(1700字)
こんにちは。
あら、私のことを見るのは初めて?
ふふ。
そう、足がたくさんあるのよ。
キレイな足でしょ。
私はアラクネ。
蜘蛛の上位種よ。
今日はラッキーだわ。
あなたみたいな
かわいい男の子に出会えるなんて。
こんな森の奥に何しに来たの?
へえ、人間の村は、今、食料不足なのね。
だから、こんなところまで、山菜やキノコを採りに来たの。
家で、妹がお腹を空かせて待ってるのね。
家族思いの、いい子なのねぇ。
ますます好きになっちゃうわ。
『ぼくをどうするつもりですか』って、
ふふ、どうして欲しいの?
いつもだったら、
こんな森の奥まで迷い込んだ人間は食べちゃうんだけどね。
あなたみたいな、かわいい子は特別よ。
食べるなんて、もったいないことしないわ。
その代わり、私と、いいことしましょ。
あ、こら。
逃げちゃだめよ。
ふふ、残念でした。
足が動かないでしょ。
それはねぇ、私が吐いた糸よ。
細い糸なんだけど、とっても強くて頑丈なのよ。
あぁ、そんな風に無理やり逃げようとしたら
ぼうやの肌のほうが傷ついちゃうわよ。
まったく、諦めの悪い子ね。
逃げようなんて思えないように、
糸でぐるぐる巻きにしてあげるわね。
ほーら、ぐーるぐーる。
どうしたの?
そんな嫌そうな顔して。
私の口から吐いた糸が、べちゃべちゃするんだぁ♪
それでそんな嫌そうな顔してるのね。
でも、そんな風に嫌がられると
逆にドキドキしちゃうわ♪
ああっ、すっごくいい。
あなたみたいに可愛い子が
糸でぐるぐる巻きになって。
身動きとれなくて
苦しそうにしている顔。
もう最っ高♪
かわいい顔が、
泣きそうになってるところ、
もっとよく見せて。
あら?
こっちをにらんだりなんかして、
どうしちゃったの?
そんな強がった顔は好きじゃないわ。
私はね、
もっと絶望に歪んだ顔が見たいのよ。
ちょっと失礼。
『何をする気だ!』って、
ふふ。
強がっていても
ほんとは不安なのね。
あなたの、
この白くて細い首にね、
ちょっと噛みつくだけだから。
ふふ、暴れようとしたって、
糸でぐるぐる巻きなんだから
動けないわよ。
あーん、がぶり。
あ♪ かわいい悲鳴♪
今ね、
あなたの体に
毒を注入したわ。
大丈夫、
死んだりなんかしないわ。
この毒は特別な毒。
あなたの体を内側から、
私と同じ、蜘蛛の化け物へと変えちゃう毒。
どう?
体が熱くなってきたでしょ。
体の芯が燃えるみたい?
ふふ。
今、ぐるぐる巻きの糸の中で
あなたの体が変化してるのよ。
ほら、口の中で牙が伸びてきてるわ。
立派な牙になったわね。
足も、
人間の足から、
蜘蛛の化け物の足に、
変わってきてるわ。
すっごく立派な蜘蛛足だわ。
どう?
あなたの体が、
どんどん化け物に変わっているんだけど、
どんな気持ち?
怖い?
それとも
ドキドキする?
ふふ♪
そう♪
ドキドキするの。
よかった。
心のほうも、
人間から魔物にちゃんと変化してきてるわね。
じゃあ、今から、
あなたにとって大切な人のことを考えて。
妹ちゃんのことが大切なのね?
じゃあ、その大切な妹ちゃんのことを
頭の中でイメージするの。
可愛い、可愛い、妹ちゃん。
その妹ちゃんを
あなたの口から吐いた糸で
ぐるぐる巻きにしてあげるの。
妹ちゃんは苦しそうに声をあげるわ。
「おにーちゃん、痛いよ、やめて」
そんな悲鳴を聞いても
あなたは止めてあげないの。
そのまま
あなたはその尖った牙で、
妹ちゃんにがぶって噛みつくの。
どう?
すっごくドキドキするでしょ。
あなたの毒で
妹ちゃんも蜘蛛の化け物にしてあげるの。
楽しそうでしょう。
あら、いい笑顔じゃない。
邪悪な笑顔で、とっても素敵よ。




