ヤンデレ植物娘のツルに縛られて (1700字)
あっ、今日も来てくれたんだ。
いつも来てくれてありがとうね。
また、お水をかけてくれるの?
うれしい。
冷たいお水、すっごくおいしいよ。
そうだね、
体にかけられるよりは、
根っこのところにかけてもらえると
うれしいかな。
うん、そう、そこそこ。
気持ちいいよ。
ありがとう。
本当にありがとうね。
こうやって水をかけてくれるのもそうだけど
危険な植物だからって、
人間たちから
処分されそうだった私を
こっそり植え替えてくれて、
ありがとう。
大丈夫。
前の場所よりも、
こっちのほうが気に入ってるよ。
静かだし、人も少ないし。
こうやって
あなたと二人だけで会えるんだったら
私はどこだっていいんだよ。
日当たりなんて気にしなくていいよ。
その気になれば、
ほら。
こうやってツルを伸ばして
葉っぱに光が当たるようにできるからね
ねえ、ところで
聞きたいことがあるんだけど、
いいかな?
その腕の怪我、どうしたの?
隠してたって
すぐに分かるよ。
あなたのことなら何でも。
だって
あなたは私の大切な人だから。
もしかして、
ほかの人間にやられたの。
(大きめの声)
ひどい。
あなたみたいに優しい人を
なんで傷つけるのかしら。
(元の大きさの声)
なんであなたが謝るの。
私が怒ってるのは
あなたを傷つけた人を怒ってるんだよ
あなたは優しいんだね
臆病なんかじゃないよ
すごく優しい
急に大きな声だしたりして、ごめんね。
びっくりしたよね
ねえ、手を出して。
いいものあげる。
うん、そう、種だよ。
魔法の種。
これを、あなたをいじめている相手にのませて。
小さな種だから、大丈夫。
こっそり飲み物にでも入れたら
きっとばれないよ。
これを飲んだら、どうなるのか?
ふふ、飲んだ相手はねぇ
あなたの思い通りに動いてくれる
お人形さんになるんだよ
あなたからの命令だったら、
どんな命令にも逆らうことのできない
立派なしもべになるの。
え? そんなことしたら、だめ?
人を自分の思い通りに操るなんて、よくないこと?
……ねえ。
なんで、そんなこと言うの。
私はあなたのために言ってるんだよ。
あなたのためを思って、
こうやって種まで出してあげたのに
なんで私を否定するの?
もっと素直になりなよ。
あなただって
本当は、あなたをいじめてくる相手に
仕返ししたいって思ってるよね
ずっと偉そうな顔していた人間が
自分の奴隷になったら、気分がいいでしょ?
なんで、違うって、言うの?
自分の気持ち、隠さないでよ。
……もういい。
ごめんね。
逃げられないように、ツルで縛っちゃった。
大丈夫、怖がらないで。
痛いことはしないから、安心して。
あなたを素直にしてあげるだけ。
これは、さっきとは別の種。
この種をあなたに飲んでもらうね。
ちがう、ちがう。
あなたを操り人形になんてしないよ。
あなたの幸せが私の望みなんだから。
この種はね、
あなたの欲望を開放してくれるの。
つまらない我慢なんてしなくていいように。
あなたを自由にしてくれるの。
ほら、あーん。
大きくお口あけて。
あ、噛んじゃだめだよ。
ほら、ちゃんとあーん、てして。
もう、暴れちゃだめだよ。
さあ、私の種、ごっくんして。
はい、よくできました。
ふふ、私の種が、あなたの喉を通ってる。
分かるかな?
今ね、胸の中で、芽を出したよ。
どう熱い?
その熱さに身を任せて。
熱くて、ドキドキして、ゾクゾクするでしょ。
あなたは新しいあなたに生まれ変わってるんだよ。
(短めの間)
もう、落ち着いたかな?
どんな気持ち?
生まれ変わったみたいに
清々しい?
さあ、どんなことする?
あなたのしたいこと言ってね。
世界はあなたの思い通りだよ。
うん、ぐちゃぐちゃにしちゃおうね。




