ヤンデレ修道女には逆らえない （１２００字）
あら、こんばんは。
先月の教会のミサ以来ですね。
お元気にされてましたか。
そうですか、それはよかったです。
え？
こんな夜遅くに、人の少ない裏通りにいるのは危ないですか？
ですが、大切な人を待っていたので。
大切な人が、どなたのことか、気になりますか？
ふふ、いいですよ。
教えてさしあげましょうか。
それは、もちろん、あなたですよ。
私は、あなたのことを待っていたのです。
だって、ずっとお会いに来てくださらないのですから。
私のこと、可愛いって言って下さったのに。
私って、ずっと教会で育ってきましたから。
あんまり若い男性の方とお話することがなかったんです。
だから、この前の、あなたとのおしゃべりは、緊張もしたんですけど、本当に楽しくて。
可愛いとか、綺麗とか、たくさん言われて、胸がドキドキしました。
だから、あなたがまた教会のミサに来てくれるのを楽しみにしてたのに。
あなた、全然来てくださらないんですもの。
もう！ どうしてお会い来てくださらなかったんですか。
でも、いいんですよ。
許してさしあげます。
今日、こうやって会えたのですから。
あなたは、また酒場に行かれるところだったのですか？
お目当ては、酒場のあのウエイトレスさんですよね？
ええ、知ってますよ。
あなたのことは、
色々な方に、教えて頂いたので。
やっぱり男性は、
ああいう肌の露出した、
はしたない格好をした娘がいいのですか？
ああいう格好は、
男性の心を惑わすので、よくありません。
品がありません。
ですが、
あなたがどうしても着て欲しいと、
おっしゃるのであれば、
私だって、
ああいう格好をしてもいいですよ。
教会では見せられませんが、
あなたと二人きりの時ならば、
どんなに品のない服でも、
着てさしあげますよ。
ええ、大丈夫です。
神様もきっと許して下さいます。
愛する男性のためですもの。
ただ、あなたに、お願いがあります。
色々な方に愛を囁くのは、やめて下さい。
あなたにその気がなくても、
あなたに可愛いと言われたら、
相手の女の子が、
勘違いをしてしまうかもしれません。
あなたが愛してるのは、
私だけなのに。
ね？ そうでしょう。
あなたは、
私だけを愛してますよね？
色々な方に、愛をふりまいては、
いけませんよ。
それは神の教えに反しています。
ただ、一人だけを。
ちゃんと私だけを愛して下さらないと。
では、今日は酒場に行くのはやめて、
あなたの家に帰りましょうか。
ええ、もちろん、私も一緒ですよ。
一緒に、夜をすごしましょうね。
あら？
身体が勝手に動く？
酒場に行こうとしてるのに、
家のほうに歩いてしまう？
それは不思議ですね。
でも大丈夫です。
それが、あなたの本心なんです。
私と一緒に、夜をすごしたいんですよ。
ね？
