キスされたがりのヤンデレ魔女 (1400字)
あ、目が覚めた?
よかったぁ。
ほんと、よかった。
ちゃんと魔法が成功して。
びっくりしないでね?
実は、あなたは、一回死んじゃったの。
でも、大丈夫だよ。
私が蘇生魔法を使ったから。
どう?
体の調子は?
生きてた時と、体の調子とかも、ほとんど変わらないはずだけど。
大丈夫そう?
よかった。
すごく難しい魔法だったけど、
ちゃんと成功したみたいだね。
ほんとよかった。
もし、あなたが死んだままだったら、どうしようって。
私、すっごく、悲しかった。
あなたのいない世界で
生きてる価値なんかあるのかなって。
すごく暗い気持ちにもなった。
でも、あなたの元気な顔みただけで
こんなにも、気持ちがあたたかい。
ねえ、もっとこっちに来て。
もっと、こっちで顔を見せて。
あなたの目、本当に綺麗だね。
ねえ、ちょっと恥ずかしいお願いしても、いいかな?
あの、キスしたくなってきちゃたの。
キス、してくれる?
(キス音)
初めてのキスって、
すごくドキドキするね。
こんなにも、幸せな気持ちになるなんて。
はじめはね、
あなたが生き返ってくれるだけでいいって。
そう思ってたんだよ。
でも、やっぱり、それだけじゃ足りないね。
あなたといっぱいお話したいし、
こうやってキスだってしたいし、
もっと特別なことだってしたい。
ふふ。
でも、時間はたっぷりあるもんね。
あせらないで、二人の時間を大切にしようね。
いきなり、色んなことに挑戦して、無理してもいけないからね。
今日は、キスをもっとしよっか。
(キス音)
キスって不思議だね。
唇がふれたりするだけなのに、
なんでこんなに、幸せな気持ちになるんだろうね。
わたし、臆病だったから、
あなたに告白する勇気なんてなかった。
でも、今、こうやって、
あなたへ思いを伝えられてよかった
私の好きって気持ち、もっと受け取って。
(キス音)
どうしたの?
頭が痛いの?
ごめんね、無理させちゃったかな?
思い出さないと、いけないことが、ある気がする?
そんな無理して、思い出さなくても、いいんじゃないの?
痛いんだったら、頑張って思い出さなくてもいいんだよ。
大事なことだったら、ちゃんと自然に思い出せるよ。
だから、ほら。
今はキスのほうに集中して。
(キス音)
え?
もぅ、どうして途中でやめちゃうの。
もっとキスしたいよ。
あれ?
なあに?
怖い顔して?
思い出しちゃったの?
そうなんだ。
ざんねん。
そうだよ。
あなたを殺したのは私。
でも、あなたが悪いんだよ。
あんな女と仲良くするから。
あんな女じゃ、あなたには釣り合わない。
あなたにふさわしいのは、私だけ。
私のことが憎い?
でも、私のことがどれだけ憎くても
あなたは私の言いなり。
私のどんな命令でも聞くお人形さん。
キスしろって言えばキスするし、
他の、もっとすごいお願いだって聞いてくれる。
ほら、もう一回キスして。
(キス音)
あ、すごい目してるね。
にらまれながらキスされるのも、
いいかも。
すごくドキドキする。