ヤンデレ妹「最近、お兄ちゃんが遊んでくれない……」(1000字)
ねえ、おにいちゃん。
最近あんまり、私と遊んでくれなくなったね?
前はさ、よくアニメとか漫画の話、一緒にしてたじゃん?
あと、ゲームもよくしてたよね?
うん、そうそう、あのゲーム。面白かったよねー。
夜こっそり、私の部屋に来て
お父さんたちにバレないように
夜遅くまで、ずうっとゲームで対戦したりしてさ。
ねえ、なんで最近は私の部屋に来てくれないの?
お兄ちゃん、もしかして、…………彼女できた?
違うの?
ほんとに?
そっか♪
よかったー!
じゃあ、でも、なんで?
彼女じゃなかったら、ひょっとして
好きな人がいる、……とか?
え、本当に?
えっと、その好きな人って誰?
わたしの知ってる人?
あ、……あの人かぁ……。
そうだね、美人さんだし、やさしいもんね。
夜、通話とかしてるの?
通話はしてない?文字だけ?
ふーーーん。
でも、お兄ちゃん、あの人はやめといたほうが、いいと思うよ。
実はさ、あの人、性格すっごく悪いって聞いたよ。
裏ではいろんな人の悪口とか言ってるんだって。
嘘じゃないよ!
……なにその反応。
なんであの人をかばうような言い方するの?
私の言ってることが信じられないの?
デマじゃないよ。
たしかな情報だよ。
あの人の、よく近くにいる人から直接聞いた話だから。
もう! 分かったよ。
……あの人のこと悪く言ったりしないよ。
でも、本当に気を付けてよね。
噂が全部本当だって場合もあるんだからね。
心配して言ってあげてるんだからね。
うん、いいよいいよ。
お兄ちゃんは頼りないからね。
私が心配してあげるのは当然だよ。
あ! そろそろ寝る時間だね。
はいはい、おやすみー、また明日~。
(間)
さて、お兄ちゃんは部屋に戻ったかなー。
あーあ。
(ボールペン、カチカチ鳴らす音)
(続きは早口)
どうしよう、どうしよう、どうしよう、
このままじゃ、お兄ちゃんが取られちゃうよ。
どうしよう。なんとかして、あの女の悪い噂とか流せないかな。
急がないと。
もし、お兄ちゃんが告白なんかしたら、
絶対OKされるに決まってる。
だって、お兄ちゃんより素敵な人なんて、
この世にいるわけないし。
私だったら、告白されたら
すぐにOKするし。
はぁ……。(ため息)
お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、
なんで私だけ見ててくれないの……。