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詩になりたかった何か。

こかげ

作者: amago.T/

 踏まれていないはずの土が硬く締まっていた。

 昔日には柔らかかったはずのそれは過日の雨で水を吸い雨滴に打たれ舞い飛ぶことがなくなったのだ。

 雨後に乾いたそこを踏みつけても痕は残らない。


 凹凸の少ないその面に陽光は曲がることなく届く。

 ただ、遮るものはあった。

 どこからか何ものかが運んできた種子が芽生えた影が、土よりも先に光を得んと天を目指して成長したのだ。


 その中間(あいだ)に私は身を置く。

 締まった土の熱を足の裏で感じ、瑞々しい緑を目で捉え、燦々と降り注ぐ陽光を肌で受け取る。

 通り過ぎる風は大気の停滞を許さない。


 すぐ隣の物言わぬ生命はただそこに在る。

 時とともに動く影を追い私も動くが緑だけはただじっとそこに在る。

 私が去った後も、きっと変わらずそこに在る。

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