表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜空を見上げて  作者: 森中満
65/114

65

「あのお前が息子を連れてくるとはな。人生長く生きていると、不思議なこともあるもんだ。お前も誰かの親になれたんだな。」

「今日は、もう知っていると思うけど、私のレンズの点検と調整、私用にもっと度が強いレンズを購入して、ロイスの器具を作ってもらいたいんだ。」

「本当にいいんだな?」

「ああ。もうロイスは天文学に取り憑かれてしまってる。」

「お前のせいだろ?」

「そう。」


ルーカスと、おじいさんは短い言葉を交わし続けている。ルーカスも借りを作りたくないと言っていたし、話しながらお互いにこりともしないから、はじめは仲が悪いのかとも思ったが、そんなこともないらしい。ルーカスとおじいさんの間には、カインさんとルーカスの間の雰囲気とも違う、独特の緊張感と、気が置けない親密さが漂っていた。


「まあ、いろいろ聞きたいことがあるから、今夜は坊を置いてこい。飲みにいくぞ。」

「ああ。ロイス、宿で留守番してもらっていてもいいですか?」

「はい。」

「なんだ?坊は、小さい頃のルーカスみたいだな。雰囲気がよく似てるよ。」


おじいさんは僕の頭をわしゃっと節くれだった手で撫でると、僕にはわからない専門的な話をルーカスと話し始めた。しばらくかかるから、おじいさんに店の中を見ていると良いと言われた。店内を改めて歩き回ってみると、ルーカスが持っている器具の形とは違って、もっと小さかったり、簡素ながらも美しい装飾が施されているような道具がたくさん陳列してあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ