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あけましておめでとうございます。なるべく、毎日更新できるよう頑張りますので、これからも『夜空を見上げて』を宜しくお願い致します。
もちろん私にも自分の研究があるから、そう毎日、ロイスに望遠鏡を使わせることはできなかったため、初めて月以外をロイスに見せたのも、月を見せてから数週間後だったと思う。初めてロイスに見せた銀河は、アンドロメダ大銀河という、地球にかなり近い銀河だったのだが、普通の人にはおそらく、白くぼやける塊にしか見えないはずのものにロイスは、色がついて見えると言うのだ。
「本当ですか?」
「はい。色だけではなくて、アンドロメダ大銀河の楕円形の形も見て取れます。中心は、光が強すぎて、細部が潰れてしまって何があるかはわかりませんが、その周辺の星々の大まかな位置はわかります。とても綺麗ですね。」
私の目も他の天文学者の中では抜きん出て良いはずなのだが、いくら近いとはいえ星雲の色をほぼ裸眼に近い状態で見分けることはできない。もしかしたら、ロイスは焦点を調節することもできる、1000万人に一人の逸材なのかもしれなかった。確か、私が大学にいた頃の当時の学長が、それができたはずだが...どっちにしろ、ロイスの目の機能は普通ではないことを実感した出来事だった。
レンズの製作者に手紙を送ってから、1ヶ月後、思ったより早く手紙の返事が届いた。
ある真夏の暑すぎる朝のこと。その日は薄明が訪れてからも、望遠鏡の焦点の調整をしていた。いつもならベッドに入る時間を過ぎても作業を続けていて、ルーカスが起きる時間になって、やっと眠りにつくことができた。




