表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜空を見上げて  作者: 森中満
21/114

21

ガラス玉のような目が一瞬こっちを見たような気がしたが、おそらく気のせいだろう。隣にいる暖かさにも助けられ、私はいつもよりも深く眠りについた。


ルーカスはもう寝てしまったようだ。一安心して、窓の外を見ると、今日もいつものように星が綺麗だった。ここでの暮らしはとても心地よい。あの時はもう死んでしまいたいとさえ思ったが、思ったよりしもやけは痛くて、ルーカスにバレないようにしもやけが痛い間は、夜がくるたび泣いていた。あれ以来、死ぬのが怖くなった。死ぬことはあれほど苦しいものだと初めて知った。きっと暖炉の前のあのソファは僕の涙が染み込んでいると思う。何日か経ってしもやけが少し良くなり、初めてあの大きな望遠鏡のそばに立つルーカスを見たとき、ルーカスがとてもかっこよく見えた。きっとルーカスのあの夜空のような目には、僕の見たこともない、美しい光景がたくさん映っているのではないかと思ったから。ルーカスは、僕に夜は寝ていなさいといったけれど本当のことを言えば、夜空を観測するルーカスをずっと見ていたいくらいだった。そんなルーカスを僕でも手伝うことができることが嬉しくて、頑張って家事をやった。そんな生活も今日で終わる。またあの薄暗い孤児院で、やがてくる引き取り手のために辛い訓練をこなさなければならないのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ