エピローグ(玉藻とハナ)
妖狩りの事件が解決した日の深夜、いやもう日付が変わってるので翌日。私は何か飲み物が欲しくなり冷蔵庫を開けた。
何もない。
誰かなんか買っておきなさいよ、全く。
仕方ので水道水を飲む。
まずい。
いや水そのものは別段へんな味がするわけではない。温いのだ。それもクソ温い。
夏マジ嫌い。
「暑い~」
仕方ないので冷凍庫にあった氷をなめる。
うん、冷たくて美味しい。
その時、後ろから足音がした。
「あっ玉藻」
「ハナ」
私が振り返ると黒いアダルトな寝間着を着たハナがいた。
「ハナ、その寝間着似合わない」
「なんで、酷い!」
「黒い寝間着は巨乳な娘が着るというのが決まってるのよ」
「誰の受け売り?」
「恒星」
「あのバカ」
まあ、本当は私が勝手に言ったことなので恒星全然関係ないけど。
「ねえ、ハナ」
「何?」
「その……昨日はごめん」
「へ?」
昨日ハナと喧嘩になってしまったこと謝った私だったが、ハナは何のことかわからないといった様子で首をかしげる。
「だから昨日のこと」
「ああ、もしかして昨日ハナが飛び出しってた時の事?」
「うん」
「別に大丈夫だよ。ていうかあんだけみんなで大騒ぎしたのに妖狩りの事件があったからすっかり忘れてたわ。まあ、玉藻が無事でよかったってのが私の一番の気持ちだから」
「あ、ありがとう」
少し照れくさくなった私は小さな聞き取れるか聞き取れないかの声で言った。
「あんな目にあわされたのにこんなこと言うの変だと思うけど、わたしの親友と仲良くしてね」
「それはいいけど……」
「うん、何?」
「私は?」
「え?」
「私は親友じゃないの?」
少し頬を膨らませて私は言った。
「ああ、そいうことか。勿論親友よ」
「本当」
「うん」
ハナのその言葉に私は嬉しくなった。
「ねえ、玉藻まだ人間は嫌い?」
「基本的には」
「じゃあ、基本的じゃない場合は?」
「中にはいい人もいると思ってるよ」
「それはよかった」




