EX
好き放題書いた短編番外編です。
「きゃあああああああああああああああ、助けてハナーーーーーーー」
武蔵野荘にえるの絶叫が響き渡った。
ドドドドッッーー、という音が武蔵野荘中に響き渡る。
えるがわたしを見つけると直ぐさまわたしの後ろに隠れた。
廊下の角から鞭を持った女が現れる。
「観念なさい、天使える。私があなたを堕天使にしてあげる」
楽しい玩具ができたといわんばかりの表情の玉藻だった。
バシバシと玉藻が自分の手のひらに鞭をしならせる。
「玉藻……」
そんな玉藻の様子を見ていたわたしは呆れて嘆息する。
「あんまりわたしの親友を苛めないでよ」
「そいつは私をあんなひどい目にあわせたんだからこれは当然の仕打ちよ」
「玉藻あなたただえるいじめて楽しみたいだけでしょ」
「うん」
「うんって、少しは誤魔化しなさいよ」
「いやあ、敵をいたぶるのは楽しいなあと」
やばい、このまま玉藻の友人でいていいのだろうか、とわたしは不安になってきた。
「もうわたしたちと一緒に住む家族なんだから優しくしなさいよ」
「またまたそんなこと言って私が見つけた秘密基地にくれば、ハナの好きなHな本が書けますよ」
「いやわたしそんな本好きじゃないから!」
「またまた性欲の無い人間なんていないですわよ」
慌てるわたしに玉藻が何故かお嬢様言葉でオヤジ臭い発言をする。
「ハナさんは一日何回◯◯◯をするのかな?」
「玉藻、あんた叩かれる方は好きかしら」
悪ふざけが過ぎる玉藻にわたしは相手を凍り付かせる様な冷たい眼光で睨みつける。
「へ? あ、いや冗談ですよアハハ……」
冷や汗をダラダラ流しながら玉藻が言った。




