冬の童話。やや絵本より
公式企画『冬の童話祭2012』投稿作品です。
明るさが自慢の俺。
俺の仕事はみんなを元気にすること。
今日もみんなに元気をわけてあげるんだ。
優しさが自慢の私。
私の仕事はみんなをやわらかく包むこと。
今日もみんなをやさしく包みこんでいます。
「おい、おまえ。俺の邪魔ばかりするな!」
「なによ、私は調節して優しさを与えているのよ」
「むきー! おまえムカツクな。負けてやるものか」
俺は負けないようにいつも以上の力を出した。
「むー! 私だって負けてられないわ」
私は負けないようにいつも以上の力を出した。
そして生み出された天変地異。
山や海は荒れて大地はむき出しになった。
みんなは困り果てた。
このままじゃいけない。
神様は見てくれていた。
「互いに頭を冷やす必要があるようだ。反省しなさい」
そして生み出された僕。
「わぁ、雪ぃー!」
雪だるま、雪合戦、そり、新雪に飛び込んではしゃいでいる子供たち。
まだ生まれたてで加減が難しくて失敗ばかりだけど、元気と優しさを与えられるかな?




