恋愛番長と悪魔
1.プロローグ
ハーイ! 私はアミ。今エミと一緒に学校に行く途中なの。
学校はすごく楽しいんだけど、アイツがいるからなぁ…。
エミとしゃべってるうちに、教室に着いた。
「おはよー」
「あっアミだ!」
…そう。今『あっアミだ』といった人がアイツの正体で、
柳 孝弟。まぁふつうにコーダイって呼んでるよ。
今の状態じゃ「『アイツがいるからな』とか言ってたけど
別にヤな奴じゃなくね?お前の方がよっぽどヤだよ」とか思う人も
大勢いることでしょう(か…悲しい…)今は分からなくても
授業の様子を見ればわかると思いますよ。
──ということで、今は2時間目。国語の授業ですっ!
私が嫌だと言っているのは、コーダイがする、ある事なんです!それはイス…
「キャッ」
ドスッ! …イッタァー‼そう、これが私が嫌だと言っているコーダイがやる
『イスひき』です…。だって授業中にやってくるんだもんっ
あーもうっみんなもこれで分かってくれたでしょっ?
「まだ分かんねぇよ」って人は、もー読まなくて結構です!
まぁそんな感じで2時間目が終わって、中休みになりました!
「あ~疲れたっ」…と言って『のび』をする暇もなく、
みんなが集まってきましたぁ…。まぁいつものことだけど。
「アミ~!あのね、聞いてよー」
みんなが一斉に言ってくる。えっ?何でかって?フフフ。そ・れ・は・ね!
私は『恋愛番長』なのー❤スゴイでしょっ?
でもクラスでは、何個かのグループに分かれてるの。
一つ目は男子のグループ(男子はよく知らないので、一まとめにしま~す)
二つ目はこのクラスのリーダー的存在の有田さんグループ
(有田さんはこのグループの女王様みたいな感じで、このグループの人たちは、
『有田様』と呼んでいる)
三つ目は私のグループで、恋愛グループという。
あとはそその他の人たちかな?
ちなみに、有田さんグループは、女子全体の⒛%くらいの人が入ってて、
⒑%くらいの人たちはその他の人で、
残りは私の恋愛グループに入っていますっ!
私の仕事は、毎日みんなの恋の悩みを聞いて、解決することでーす。
たまに他のクラスの子も来るくらい人気なんですよ!
まぁみなさんは『そんな自慢話どーでもいいわ!』って
思ってるでしょうから、(またまた悲しい…)続きを書きますねぇ!
休み時間が終わって授業になって…のくり返しで、学校が終わった。
「ふわぁー。疲れたぁ。帰ろーっと」
と言い、帰ろうとした時だった。…で、続きを書きたいところですが、
ちょっと待ってくださーい。今「はぁ⁉」と思った方、少々お待ち下さいね。
…えっと書いてなかったので、私とコーダイの関係を説明したいと思いまーす。
実は私とコーダイは、イトコなんです。なのでコーダイが
「柳 孝弟」なわけだから、当然私も「柳 亜実」なわけなんですぅ↱
アイツと同じ名字なんて…。ハァー。
あっ我慢している方の我慢も切れて「ふざけんなー」ってなってしまうと
大変なので、そろそろお話に戻ろうと思いまーす!
で、帰ろうとしたら
「アミちゃんちょっといい?」
と有田さんに呼び止められた。有田さんに呼ばれるってことは、
お説教かも!なんかしたっけ…?
「今日の5時半、ここに来て」
と、ある紙を渡された。地図だ。
「うん、分かった。じゃーね」
私は家に帰った。
2、誰~!
「ただいまー…って言っても誰もいないけど」
家に帰りましたぁ!まぁ仕事で誰もいないけどね。
ガサガサ… ゴソゴソ…
「えっ?誰かいるの?」
私は音のする方へ行ってみた。すると、音がするのは自分の部屋だったのだ。
「えー?マジキモいんだけどぉ。ヤバー」
とか言いながら、私はドアを開けた。 ガチャッ
「え?誰もいないじゃー……ギャァァァーーーー」
思わず私は叫んでしまった。だってそこにいたのは…
人間じゃなくて、フワフワんした物体だったんだもの!
「だ…っ誰ぇぇーー?」
「誰って…しつれいだニャー!」
「はっ?だって知らないもんっ!」
「私は、魔法星から来たポムだニャッ❤」
「…で、何者なの?」
「まぁ、簡単に言えば魔法使いかニャー?」
「ま…魔法使いぃーー?その体で?」
「そこかよ!魔法使いって聞いて、びっくりしないニャー?」
「ちょっとはしたけど、キョーミないし」
「…あぁ…もー帰るニャ…」
「えぇ?なんか用があったんじゃないの?別に帰ってもいいけど」
「えっと…実はニャ…」
話すなら話せーーー‼
「アミを助けに来たのニャ」
「はっ?どーいうこと?」
「なんか、もうすぐアミが大変なことになりそうな気がするから来たんだニャー」
「はぁっ?」
ガチャッ バタンッ
「ただいまー」
うわヤベッ!お母さん帰って来たぁ。
「ちょっと!お母さん帰って来たんだけど」
私は小声で言った。
「大丈夫だニャー。アミとポムの会話は他の人には聞こえないし、
ポムの姿も見えないニャー」
「あっそうなんだ。じゃ安心だね。てか、すごいね。」
「すごいでしょー。てか、アミの…」
「あーーー‼5時半だ!行かなきゃ!」
「どこにニャー?」
「ここ!このマップの赤いとこ!」
「…ニャンか嫌な予感がするニャー。ポムも行くニャー」
「はいはい。分かったよ。」
私達はマップに書いてあった場所へと急いだ。
3、私とコーダイ
「フー。着いたぁ……って、はっ?何でコーダイがいるのー?」
「おっ、お前こそ!」
「私は有田さんに呼ばれただ…」
「俺もだよ!」
「アミー?この人は誰ニャー?」
「こいつはイトコのコーダイ」
「ふ~ん」
「おまたせ。2人とも」
あっ。有田さんだ。
「あのさぁ…何のために私達を呼んだの?」
「フフフ。あなた達、イトコなのにすごく仲悪いわよね?
まぁいいや。あのね、もう少し待ってて。そうすれば『あの方』が来て、
分かるから」
「んだよっ!」
コーダイはすっかりご立腹な様子だ。実を言うと、私もだけどね。
もうどんだけ待たせるんだよ!みたいな感じ!
「フムフム。お前たちが仲が悪いイトコの2人か。」
もしかしてこの人が『あの方』って言ってた人かな?怖そーっ!
「だっ誰ですか?」
「有田の友達だ」
そう一言いうと、私達の頭に手をかぶせた。
「ちょ、ちょっと。何するんですか?はなしてください!」
手を引っ張ったが、ビクともしない。何者―⁉
「見えた!見えた見えた見えた!ハァーーーーー‼」
そういうと、目の前の景色が変わった。
「待ってよコーダイ!待っててばー」
…これは、幼い頃の私の…声? てことは、過去を見せられてるの⁉
「アミー。こっちにおいでー」
これはコーダイだ。ちっちゃい頃は可愛かったなぁ…
「ねえコーダイ。小学6年生まで待たなきゃダメー?」
なんの話、してんだろ。
「うん。そのくらい大きくならないと付き合えないよ。」
…えぇーーーーーーーーーーっ!そんなこと話してたのぉ⁉
自分でも分かるくらい顔が真っ赤になってるよ…。
「分かった。じゃあ、絶対小6になったら付き合ってね」
「うん。約束するよ」
えーーーっどーしよーっ。小6って…今なんですけどー‼
目の前がまたパッと変わって、今に戻った。隣のコーダイをみると、
顔が真っ赤!同じの見たんだ…。
「まぁそういうことだから。2人とも帰っていいよ」
私達は家に帰った。
4、コーダイと悪魔
「ねえアミ?すごいこと言ってもいいニャー?」
「うん。いいけど」
「あのね、実はポムは、悪魔が見える…ていうか、悪魔が人間に化けているかとか、
全部わかるんだニャー」
「えぇーーーウッソー!それで?」
「そ、それでニャ、有田と、有田の友達って人は、悪魔ニャンだ」
「えっえぇーーーーーーーーーー‼」
「うっ嘘だよねー…」
「残念ながら、嘘じゃないニャー…。あのさぁ、有田のこと、
有田様とか呼んでる人いニャい?」
「いるけど…」
「その人たちは、悪魔の力で有田にあやつられてるんだニャ!」
「えっ?どういう風に?」
「よく分かんにゃい…。でも、明日何かが起こるのニャ」
「こっ怖いよぉ」
まぁそんなこんなで、怖いまま今日は寝た。
──そして迎えた朝
いつも通り…プラス「ポム」で、学校へいくと、コーダイに呼ばれた。
いっいきなりーーー?
「アミ。昨日見た過去があるだろ?小6って…今だよな。
それであれ見て、あの気持ちがよみがえったんだよ。お前に対しての
あの…その…好きって気持ちが…」
私とコーダイ、両方の顔がみるみるうちに真っ赤になってく。
どうしよう。コーダイのこと、今ので好きになっちゃったかも…
「それって…告白だよね…?」
「うん…一応」
「こっこんな私でよければ喜んで!」
私…オッケーしちゃった!
「マジで!ありがとー♡これからは仲良くしよーゼ☆」
「うんっ!」
私は、小学校でずっと仲が悪かったコーダイと仲直りできた!
その日から私は、登下校もそうだし、学校でもずっとコーダイと一緒に
いるようになった。でも私はこの時忘れていた。コーダイは何気に女子から
モテるってことを…
一週間後、コーダイと一緒に学校へ行くと
「アミちゃん、ちょっといい?」
と、有田さんに呼びとめられた。今までなら何も思わなかったけど、
有田さんって悪魔でみんなをあやつってるんでしょ?怖っ!
最初に言葉を発したりしたのは、有田さんではなく、周りの女の子たちだった。
まぁどうせ、あやつられてるだけなんだけど…
「あんた最近、孝弟と仲いいみたいだけど、あんま調子乗んじゃねぇよ!
あたし達の孝弟を取ったら、許さないんだから!」
などと言ってけったり物をぶつけたりしてきた。
これって完全ないじめじゃーん!コーダイ助けて~!
ガラガラッ
「アミー?まだ……っておめぇら何してんだよ!」
と言って、有田さん達を殴り倒して私を助けてくれた。
「コーダイ。ありがとう!怖かったよー」
「泣くなよ。アミ」
でも有田さんの復讐は、これでは終わらなかった。ポムが話しかけてきた。
「アミ!有田が呪文とニャえようとし…」
ポムが言い終わる前に、有田が言いだした。
「ネガミカ・ジウヨシ・ホミコエサー」
ヤバい!これって呪文~⁉
「ネガミカ・ジウヨン・ホミコエサー」
有田は唱え続けてる!
「コーダ……キャアッ⁉」
5、別世界ぃー?
気がつくと、そこは森だった。
「ここ…どこ…?あっ!コーダイどこ~?」
「アミ~!ここだよ~!」
声のする方を見ると、コーダイがいた。
「コーダイー‼」
「なぁアミ。さっきの有田の言葉のせいで、俺達ここに
いるんだろ?どーすればいいんだろ?」
「アミ!いつくるか分かんないけど、有田が来たときにムリに対抗しないで
呪文を唱えれば倒せるニャッ!」
「ポム!でも、コーダイにいったらメンドくさそー」
「じゃあコーダイには言わニャくていいよ!意識は失うかも知れないけど、
悪魔は意識の無い人間には興味がニャいから」
「そっか!それなら安心だね!で、その呪文って…?」
「ヤチキア・ンチモト・ダキスイダって言うニャー!」
「ヤチキア・ンチモト・ダキスイダだね!オッケー」
「なぁアミ!どーすんだよ?」
「大丈夫!コーダイなら有田に勝てるから有田が来たら倒して!」
「えーーーー?倒せなかったらごめんね。」
「大丈夫だよ!」
タッタッタッ
「あっ足音が聞こえる。誰だろー?あーっ!有田だ!コーダイがんばってー!」
「おっおう!」
コーダイは有田に立ち向かっていってくれた。
でも案の定、すぐにやられて意識を失ってしまった。
そして有田は私の方を向いた。睨んでるー怖っ!
「さぁアミちゃん!次はあなたよ!」
「そっ、そうはさせないよ!」
「何っ?やれるもんならやってみろ!」
やるしかない…よね?
「や…や…ヤチキア・ンチモト・ダキスイダー」
「なっ何ぃーっ?貴様、そんな呪文どこで!」
「ヤチキア・ンチモト・ダキスイダー」
私は必死で唱えた。
「やっやめろー‼グアァ!」
バタッ
「やっ…ヤッタァ!倒せたよーポムッ!」
「うん!よくがんばったニャ!」
「よかったー‼あっコーダイが!」
急いでコーダイの元へ駆け寄った。コーダイは意識を失っていた。
「コーダイ起きてぇ倒したよぉ!コーダ~イ!…えっ?ポム~。
コーダイが起きないよ?コーダイ!コーダイ!」
ついに私は、涙が溢れて来てしまった。 ポタッ
涙が一滴コーダイの顔にたれた。
「ん?あぁアミ!まぁた泣いてるよ!どーしたんだよ?」
「えっ?コーダイ?コーダイだぁ!」
「あれっ?そういえば有田は?」
「えっとねー、コーダイが弱いから私が倒しちゃった!」
「ウソっ!すっげーな」
「まぁね!」
「あれっ?いつの間にか教室に戻ってる!」
「あっホントだ!しかも授業終わってるし。」
「ホントだね!よしっじゃあ帰ろっか。」
「うん!バイバーイ」
今日はとりあえず帰ることにした。
今日の出来事のおかげで、コーダイとの仲が一層深まった…かな?