81.Sランク昇格祝いの飲み会
81.Sランク昇格祝いの飲み会
ハコブ達は、フランのギルドにヒドラを卸した後、
駅馬車乗り場で、フラン~クレメント~ギムネ~べスカーラ~ローバレー~ドリノ路線開設と、
ドリノ中央交通商会との契約取り交わしについて、まだ残っていたマルクさんに話した。
「わかった。ウチみたいな弱小交通商会が、
州都の交通商会と取り交わしをすることになるなんて。」
マルクさんは感慨に浸っていた。
5日後から2階建てバスで運行することを説明する。
その後、Sランク冒険者になったことをお祝いして、リリーが、ハコブ、ドルクマ、リラ、
そしてその場にいた、グランツさんとブランを誘い、宿屋の食堂に飲みに行くことになった。
ハコブは、
「酒を飲むなら、バスで送ってあげることはできないぞ。」
と初めに断っておく。
6人は、宿屋に入ると、
アンヌから、
「なんか随分忙しかったのね。」
と言われる。
リリーが、Sランク昇格のパーティーを開くというと、
宿屋から、中くらいの樽のエールを1本サービスしてくれた。
はじめにその樽のエールをリリーとブランさんで平らげる。
ハコブはブランさんが大酒飲みと言うのを、この時まで知らなかった。
リリーは、勢いで、ワインを8本追加注文する。
そんなリリーをグランツさんが心配そうに見ている。
グランツさんは、ハコブに小声で、
「リリーは底なしだ。止めるのにゲーリングさんと私が全力で止めてもダメなんだ。」
と話してくる。
リリーはものすごく酔っている。
「いや~、あのヒドラ、最高だな。Sランクか。
ハコブとドルクマ、最高だな。」
等と言っている。
ブランさんは、黙々と飲み続けている。
ハコブは、
(ブランさんは孤独を愛す一人飲みタイプか。)
なんて思う。
リラは、リリーの勢いに引いている。
ドルクマさんは、なぜか、ブランさんに語り掛けている、魔導論を。
2人で、独特の世界に入っている。
「イヤー、ハコブ最高。」
酔った戦士のリリーが抱き付いてきた。
ハコブは抵抗するが、力が強く無理だった。
それにリリーの鎧が当たって痛い。
ハコブは必死にリリーに痛い旨訴えかけるが、ダメだった。
まじかにいる、リリーの息が酒臭い。
「うっ、うっ、リリーさんダメですよう。
ハコブさん、痛がっているじゃないですか。
うっ、うっ…。」
なぜかリラが泣き始めた。
グランツさんは、おろおろしている。
「ハコブ、最高だから、キスしちゃう。」
酒を飲んで、コントロールを失った、
リリーが鼻の所にキスをしてくる。
ものすごく酒臭い。
「エール3本追加!」
リリーが引いているアンヌさんに追加オーダーを出す。
この6人の様子を、周りの人は引いて見ていた。
「だから、だから、リリーちゃん、やめようよ、うっ、うっ、ハコブさん痛がっているよ。」
「だから、アイスコフィンの発動タイミングは、詠唱時間が重要であって…。」
「詠唱時間、魔力をどれだけ出せるか、が重要ではないのか?」
「そうじゃなくて、魔力は温度に依存し…」
「い、痛い、酒臭い…い、痛い、鎧当てっている…」
こうして夜は更けていった。




