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79.ドリノを出発する

79.ドリノを出発する


翌日、1階にある宿屋のロビーに向かうと、

すでにリリー達が待っていて、ブライトと話をしていた。


「何の話をしていたの?」


「ああ、この転回場が、雨の日ぬかるんで、

馬車の運行に苦労するという話だ。

で、フランの駅馬車乗り場なんか、

硬い地面で舗装した話をしていたんだ。」


ハコブ達は、外に出ると確かに雨が降っていて、

石畳でない転回場は、小石が撒かれているとはいえ、

少しぬかるんでいた。


ハコブは能力で転回場の路盤を舗装した。


「これで、大丈夫だと思います。」


「え?」


「これ、ハコブの魔法なんですよ。

魔術師が氷のつぶてを出し、モンスターを攻撃する、それと同じだ。」

なぜかリリーが自慢げに言う。


「ど、どうも。」


バスの所でドアを開けていると、ガンツさんが来た。


「よく休めたか?」


「はい。」


「それは良かった。これからはよろしくな。それと、ここの舗装、ありがとな。」


ガンツとハコブは握手をする。


「あ、一つ確認があるのですが、ここの領主様、

この転回場の様に、街道の舗装を許可してくれるでしょうか?」


「そうだな、大丈夫、いや、むしろ喜ばれると思うが、

確認が必要だな。

良かったら、領主の舗装許可の意向を確認しておこうか?」


「助かります。」


「何、こちらこそ助かる。雨で、馬車が動かなくなることも減るだろう。」


「許可が出た場合、私の魔法で、この州のドリノまでの街道も舗装しに来ます。」


「わかった。」


「あとは、今後定期便の、ここに到着は19時、出発は8時になると思います。

舗装距離が延びれば、速度を出せるので、もう少し早くなると思います。」


「ああ、分かった。」


ハコブはバスに乗り込み、バスを発車させる。

ガンツとブライトは手を振っていた。


ハコブは、昨日通った道を思い出しながら、

ドリノの門を出る。


そして、速度を出す。


サイドミラーから見える、ドリノの町とその城壁は、見る見るうちに小さくなっていった。

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