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76.ローバレーであった同業者

76.ローバレーであった同業者


バスはドリノに向け、街道を走らせていた。


この辺は丘陵地帯で、街道は緩やかなアップダウンがあり、

時々歩き疲れて、休んでいる人が見受けられた。


その様な中、また畑が現れ、農家がぽつぽつと現れた。

ただこの町で驚いたのは、

緩やかな谷間に川が流れ、その両岸に街があり、

街道はその真ん中を横切っている、と言うことだった。


町中の道は、このバスがすれ違える幅はある。

やがて、街道の両側は町になり、

谷底の川の手前に広場があり、

そこに1台の駅馬車がとまっていた。


バスは速度を落とすと、その駅馬車の御者席に座っていた男が近づいてきた。


何かしゃべっている。


ハコブは運転席の窓を開ける。


「あんた、どこの者だ。」


「フラン交通商会です。」


「フラン交通商会?ああ、あの新型馬車の運行を始めた商会か。」


ハコブは、広場に面した宿屋のカフェで少し話さないか?

との提案を受け、その提案に従った。


「この馬車、この広場に停めておけよ。」


「いいんですか?」


「ああ、構わないさ。」


「同乗者の従業員も良いですか?」


「ああ、問題無い。」


ハコブは、バスを広場に停め、

男と共に、宿屋のカフェに入っていった。


そして、入り口に近い名がテーブルの席に座る。


そして、ケーキと紅茶を注文する。


「俺は、ドリノ中央交通商会のブライトだ。」


「フラン交通商会のハコブです。こちらは、同僚のリリー、ドルクマ、リラです。」


「ああ、よろしく。」


ハコブは、今回クレメント交通商会から路線を譲り受けたことの話をした。


「ああ、クレメント交通商会とは相互乗り入れをしたり、

クレメント側の駅馬車乗り場の事務代行をしてもらったり、ウチはしているからな。

ちょっと聞かせてもらいたい、クレメント交通商会との提携は継続、でいいんだな。」


「はい。」


ハコブはブライトに話を聞くと、ブライトは、ドリノ中央交通商会の幹部らしい。


「幹部と言えども、時々御者をしないと、操馬の腕が鈍るからな。」


「ところで、あの新型馬車、見せてくれないか?」


ハコブ達は、出てきたケーキと紅茶を平らげた後、

バスに案内し、いつもの説明をする。


ブライトは同業者だけあって、具体的な質問が多かった。


「そうか、これは62人乗りで、中には、95人乗りもあるのか。

ウチは最大で、16人乗りだからな。」


話を聞くと、クレメントまで、ドリノ中央交通商会は16人乗りで、運航しているらしい。


「クレメントさんの所は8人乗りだったからな。化け物だな、これ。」


ハコブは苦笑いをする。


「実はお願いがありまして、クレメント交通商会と同じく、ドリノのドリノ中央交通商会さんの駅馬車乗り場と、

切符販売や荷物の処理代行をお願いしたいのですが。」


「こちらこそお願いしたいぐらいだ。これだけ運べれば、代行料が増えるからな。」


「で、運行は週に3便か?」


「可能であれば、毎日1便でお願いしたいのですが。」


「毎日?!」


「はい。運行本数を増やしてしまって、問題だったでしょうか?」


「いや、問題無い。」


ブライトは少し考え込んでいたが、


「いや、問題無いんだが、お願いがある。その新型馬車、いや、バスだったか、

16人分の切符の販売権をくれないか?

常に16人分の切符をこちらで買って販売するが、運行の手数料は払う。」


「ああ、コードシェアですね。」


「コードシェア?」


「つ、つまり、今の様な契約について経験が以前あって、コードシェアって呼んでいたんです。」


ハコブは、フラン~クレメント~ギムネ~べスカーラ~ローバレー(この町の名)~ドリノを1日で運航する旨、

話をした。


コードシェアはこの路線で良いか、確認をした。



「それでお願いしたい、ウチは実質、フランまで延長して運行することになるのか。」


「そうです。で、コードシェアをするならば、95人乗りのバスの方が良いですね。」


ハコブは、広場の空いているスペースにアストロ〇ガを出す。


「うおっ、能力持ちか。それにしても大きい物が入るんだな。」


「まあ、そうですね。」


「中を案内してくれないか?」


ハコブは、いつもの様にアストロ〇ガの案内をする。


「2階建てで、トイレもあるのか?こりゃ凄いな。花形チケットになる。」


ブライトは喜んでいる。


「悪いんだが、商会長のガンツに会ってくれ、俺の兄なんだ。

1日がかりで運転と言うことなら、バス置き場と、御者の宿屋が必要だろ?

ウチの商会は宿屋をしているんだ。

快適だぞ。」


「わかりました、この様な話も、ガンツさんと詰めましょう。」


「ここからドリノまでは2時間位だ。

私の商会の馬車で、まもなく出発だから、先にドリノの入口で待っていてくれ。」


「あのう、差し出がましい話ですが、コードシェアの試験運行と言うことで、

この2階建てバスで、乗客とあなた、そして荷物を運ぶということでどうでしょう?

馬車は私の収納能力で預かります。」


「え???本当に。」


「はい。」


「そりゃ凄い話だ。お願いしたい。」


ハコブとブライトは、乗客をバスの2階に案内し、

荷物をバスに乗せ換え、馬車をしまう。


乗客は、思いがけない乗り物に乗れ、2階で、はしゃいでいるようだ。

ハコブは運転席におり、隣にブライト、そして、リリー達は後ろの1階席にいる。


「ほ、本当だ。これが、走るところを見せてくれ。」


「はい。」


ハコブはバスのドアを閉め、

町の広場を出発した。

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