71. クレメント交通商会長のお願い
71. クレメント交通商会長のお願い
ハコブは、クレメントの路線を運航していたグランツさんから、
「マリアンヌさんからハコブに相談があるので、
クレメントに来てほしいと伝えて、って話していましたよ。
なんでもクレメント交通商会長が相談があり、時間を取ってほしいらしい。」
と、伝言を受け取った。
2日後、ハコブは、マルクさんと共に、
クレアさんの運転するクレメント行のバスに乗り込んだ。
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クレメントに到着しバスを降りると、マリアンヌさんが来て、
「よく来てくれました、助かります。
こちらへどうぞ。」
と、駅馬車乗り場事務室裏の商会長室に案内された。
部屋に入ると、1人の男が立ち上がり、
握手を求めてきた。
「すぐに来ていただき、ありがとうございます。
クレメント交通商会長のグラントです。」
隣にいたマルクさんが、
「マリアンヌの旦那さんだ。」
と小声で教えてくれる。
「実は、話したいことが2つある。
1つ目は、クレメント~ドリノ路線を譲ろうと思う。」
「譲る?」
「実は立て続けに、あるモンスターに襲われて、
運行に回せる馬車が無くなってしまったんだ。」
「あるモンスター?」
「そう、溶解スライムの大群が出てね。」
ハコブは、溶解スライムが現れた時、
アルカリシャンプーで倒していたことを思い出した。
「溶解スライムの大群は最近現れ始めたのですか?」
「ああ、3か月くらい前から増えてきたんだ。」
「冒険者ギルドに討伐依頼は出したのですか?」
「ああ、出したが受けてくれる冒険者がいないんだ。
なんせ、冒険者の商売道具である、剣や鎧、盾を溶かすからな。
あれは、剣も通用しないし、水系以外の魔法で倒すしかない。」
「わかりました。まずは、調査をします。一旦明日戻って、調査メンバーを連れて調べてみます。」
「了解した。アレは、州境のギムネ村近くのギムネ沼沿いの街道でよく出没する。」
ハコブは、話を変える。
「2つ目の話したいことですが…。」
「実は、バレット交通商会の件なのだが、
あの商会の馬車がバレット~クレメント間を独占運航していて、
切符の販売業務等、ウチでやっているのだが、
今、手数料を1%で対応しているんだが…無料で対応し、
荷物の手数料や保管も、全て無料で対応しろと圧力をかけてきている…んだ。
ウチの利益も考えて、フラン交通商会は、20%に上げて契約をしてくれているのは、
本当にありがたい。」
「私の姉の夫が経営する紹介ですからね。
いわば我々は身内ですから。」
マルクさんは言う。
「ありがとうね、マルク。」
マリアンヌさんも、マルクさんに感謝を述べる。
「将来的に私たちの商会と、フラン交通商会が合併できればとも考えているんだ。
そちらには、たくさんの人を運べるバスがあり、侯爵とのパイプも太い。
道路工事もできると聞いている。
私には、そこまでできないよ。」
グラントさんは悲しい顔をする。
「すごいのは私ではなく、ハコブですよ。
彼がウチに来てくれて、フラン交通商会は、利益を増やし、大きくしてくれた。
彼が実質的な商会長だ。」
とマルクさんが話す。
結局のところ、ハコブは2つのやらなければならいことができた。
1つは、大量の溶解スライム出現調査とクレメント~ドリノ運行移管準備、
2つ目は、バレット交通商会との交渉?をすることである。
翌日、ハコブはフランに戻り、リリーと怪我の治ったドルクマさん、
リラの4人で、ギムネ沼に向かった。




