41.町長の忠告
41.町長の忠告
翌日、ハコブ達がクレメント町を往復し、フラン町に戻ってくると、
駅馬車の事務所に、グランツさんがいた。
腕には、包帯が巻かれ、添え木がしてある。
「重体ではないですか。治療院で休まれていた方が…。」
「なに、事務仕事は手伝えるさ。
そうだ、もう一人、紹介したい人がいてね。」
奥から、杖を突いた町長が出てきた。
「治療院以来です。」
「そうね。
今日は話したいことがあって、グランツに無理を言って、
ここに来たのよ。」
話を聞くと、侯爵の使いの者が町に来るということで、
ドルマンさんに任せておけないらしい。
「とにかく失礼の無いようにな。」
「わかっております。」
「それとだ、侯爵の使いは2つの目的でこの町に来られる。
1つ目は、ワイバーンの件だ。
討伐した情報が侯爵の耳に入り、倒した者を確認すると思に、
どうやって倒したのか、確認するために来るのだろう。」
「情報が伝わる速度、速いですね。」
「ギルドには伝書鳩があるからな。
各町のギルドは、州都のギルドに情報を報告し、
各州都のギルドは王国に報告する。
それで、ワイバーン討伐の情報を知ることになったんだろう。
それと2つ目は、其方の新型馬車だ。」
「新型馬車を提供するという話なのでしょうか?」
「そうだな、そうかもしれないし、州都までの路線開設の話かもしれないし。」
「町長、この新型馬車は、豪華な乗り物ではないですよ。
装飾は変わっていますが、シンプルで豪華ではないし。」
「そうだな、侯爵の保有兵を輸送する為かもしれないな。」
「兵の輸送?」
「そうだ。このハイラ州は、周りの州や隣国との間で、
政治的な関係は良いが、例えば、討伐依頼で、多数の兵を動かしたい時、
必要なのかもしれないな。」
「そうなんですか。冒険者ギルド以外に、州兵も討伐依頼を行う場合があるんですね。」
「もちろん。州兵と冒険者が大抵は協力して、スタンピードや強いモンスターが出た時、
対応をする。」
「侯爵軍と冒険者の関係は良いんですね。」
「まあな。」
「ただ、あの侯爵の事だから、私やドルマンを介さずに、直接そなたに会いにくる場合がある、
それで今日、この話をしに来たのだ。」
そうですか。
その時、町長は顔をゆがめた。
「町長、無理せずに。」
「マルクさん、私、町長を治療院に送ってきます。」
その後、ハコブは、町長とグランツさんを治療院に送り、
宿屋に戻った。
(それにしても、ミハイル院長、町長でも、
無理して治療院から出ていくものではない、と、
強い剣幕で怒っていたな。)
ハコブは院長は、無理をすると、誰にでも怒り飛ばす人なんだと、再認識した。




