38.ワイバーン討伐報告
38.ワイバーン討伐報告
治療院は、すでに夜遅い時間だったため、暗かった。
ただ中の部屋の1つに明かりがついていたので、
行ってみると、ミハイル院長とリリーがおり、
グランツさんが、木製のベットに寝かされていた。
「グランツさんは、肩の脱臼と腕の骨折だ。
リリーはかすり傷だけだがな。」
院長が答える。
「心配をかけたな、ハコブさん。」
包帯を巻かれたグランツさんが答える。
「そんな、助けていただき、ありがとうざいます。」
「お礼を言うのはこっちだ。ほとんど1人で倒したじゃないか、ワイバーン。」
「あれは必死だったから。」
「すごいよ。ハコブは。なんというか、その…。」
リリーにそのようなことを言われる。
リリーの顔は少し赤くなっていた。
「今日、いや、2,3日は、ここにいてもらわないといけないな、グランツは。」
院長が言う。
「院長、お願いします。グランツさん、ゆっくりと休んでください。」
とハコブは言う。
「あのー、倒したワイバーンをギルドに運ばなければ。」
リリーが言う。
「もう9時だ。ギルド、開いているのかな?」
「宿直がいるから、そいつに言えばいい。
ワイバーン討伐は緊急案件だ。」
「わかった。」
ハコブは、表に停めてあったバスにリリーを乗せ、
冒険者ギルドに向かう。
ギルドに到着すると、リリーがギルド内に入っていき、
3人の職員を連れてくる。
「これだ。ワイバーン討伐の証拠は。」
リリーがバスの屋根を指さす。
職人3人とリリー、そしてハコブの5人がかりで、
解体したワイバーンを降ろす。
「このくらいのサイズとなるとまだ成体ではないですね。」
「しかし、分解されていると言えど、全て持ち帰るなんて。」
後でリリーに教えてもらったが、このような大きな獲物は、
通常、大きくて持ちきれないので、高い部位だけを持ち帰るらしい。
3人の職員は、解体室の魔法冷蔵庫にワイバーンをしまう。
そして、若い女性の職員の1人、リリーと一緒に、ギルドカウンターに向かう。
そして討伐手続きをする。
「ご苦労様でした。
あっ、ハコブさん、すでにDランクの討伐数に達していますね。」
ギルド職員の1人が、ハコブのカードを見て言う。
リリーがこれも後で説明してくれたが、
討伐をすると、自動的にこのカードに記録する魔法がかかっているらしい。
「複数のゴブリンやクロヒョウ、溶解スライム、メイジゴブリン、そしてワイバーン、
1か月も経たないのに、凄い討伐数と経歴ですよ。」
ギルド職員に褒められる。
「明日、ギルド長に会ってもらえませんか?」
「あの、バス、いや、新型馬車の運行の予定があって…」
「ああ、そうでしたね、今町で話題の、新型馬車、その御者さんでしたね。」
この若いギルド職員が、ハコブを見つめ、手を握っていたが、
リリーが引き離そうとする。
「早く処理をしてくれ。明後日、運行の無い日だから、
その日に直接ギルド長を訪ねる。いいな。」
このギルド職員はしぶしぶうなずいた。
その後、リリーとハコブは、ギルドの外で別れ、
ハコブは宿屋に帰る。
すでに10時をまわっていたが、
なぜかアンヌさんはワイバーン討伐とグランツさんの大けがの話を知っており、
今日は怒ってはいなかった。
夕食も再度、温められたスープが出てきた。




